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特定技能所属機関に関する届出事項一覧

2019-05-05

特定技能所属機関は、特定技能雇用契約や1号特定技能外国人支援計画等に関する各種届出が義務付けられており、届出の不履行や虚偽の届出については罰則の対象とされています。

特定技能雇用契約に関する届出

(1)契約変更の届出

特定技能所属機関は、1号特定技能外国人と締結している特定技能雇用契約を変更(法務省令で定める軽微な変更を除く)した場合には、当該変更日から14日以内に、当該機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に当該契約を変更した旨並びに当該変更年月日及び変更後の契約の内容を記載した書面を提出して届出を行う必要があります。

【特定技能雇用契約変更に伴う届出事項】

  • 雇用契約期間
  • 就業の場所
  • 従事すべき業務の内容
  • 労働時間等
  • 休日
  • 休暇
  • 賃金
  • 退職に関する事項
  • その他(社会保険の加入状況・労働保険の適用状況、健康診断、帰国担保措置)

(2)契約終了の届出

特定技能所属機関は、1号特定技能外国人と締結している特定技能雇用契約が終了した場合には、当該終了日から14日以内に、当該機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に当該契約が終了した旨並びに当該終了年月日及び終了の事由を記載した書面を提出して届出を行う必要があります。

特定技能外国人は、特定技能雇用契約が終了した場合であっても、直ちに帰国する必要はなく、転職により新たな特定技能所属機関との間で特定技能雇用契約が締結することができれば、在留期間の範囲内で引き続き在留が認められるため、特定技能所属機関は、特定技能外国人の責めに帰すべき事由によらずに特定技能雇用契約が終了した際には、当該外国人の活動継続意思を確認した上、活動の継続を希望する場合には、必要な転職支援をする義務があります。なお、特定技能雇用契約を終了する事由が、非自発的離職や行方不明等である場合は、受入れ困難に係る届出書をあらかじめ提出しておく必要があります。

(3)新たな契約締結の届出

特定技能所属機関は、新たな特定技能雇用契約を締結した場合には、当該契約締結日から14日以内に、当該機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に新たな契約を締結した旨並びに当該契約の締結年月日及び当該契約の内容を記載した書面を提出して届出を行う必要があります。

※「新たな契約を締結した場合」とは、例えば、特定技能外国人が自己の意思で特定技能所属機関を退職して契約が終了したことにより契約終了の届出がされ、転職に向けた就職活動を行ったものの、転職先が見つからなかったこと等の理由により、当該特定技能所属機関に戻り、再度契約を締結したような場合が該当することになります。

 

特定技能外国人支援計画に関する届出

特定技能所属機関は、特定技能外国人支援計画を変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)した場合には、当該変更日から14日以内に、当該機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に当該計画を変更した旨並びに当該変更年月日及び変更後の計画の内容を記載した書面を提出して届出を行う必要があります。

【特定技能外国人支援計画変更に伴う届出事項】

  • 特定技能所属機関
  • 登録支援機関
  • 支援の内容

 

登録支援機関との委託契約に関する届出

(1)契約締結の届出

特定技能所属機関は、登録支援機関との間で1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託するための契約(以下「支援委託契約」という。)を締結した場合には、当該契約の締結日から14日以内に、当該特定技能所属機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に当該契約を締結した旨並びに当該契約の締結年月日及び当該契約の内容を記載した書面を提出して届出を行う必要があります。

※新たな登録支援機関との間で支援委託契約を締結した場合は、1号特定技能外国人支援計画が変更となることから、併せて支援計画変更に係る届出書を提出する必要があります。

(2)契約変更の届出

特定技能所属機関は、登録支援機関との支援委託契約を変更した場合には、当該契約の締結日から14日以内に、当該特定技能所属機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に当該契約を変更した旨並びに当該契約の変更年月日及び当該契約の内容を記載した書面を提出して届出を行う必要があります。

【支援委託契約変更に伴う届出事項】

  • 委託する支援業務
  • 委託料
  • 契約期間等

※登録支援機関へ委託する業務が1号特定技能外国人支援計画の一部となる場合には、特定技能所属機関が適合1号特定技能外国人支援計画の適正な実施に関する基準に適合することが求められることに注意が必要です。

(3)契約終了の届出

特定技能所属機関は、登録支援機関との支援委託契約が終了した場合には、当該変更日から14日以内に、当該特定技能所属機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に当該契約が終了した旨並びに当該終了年月日及び終了の事由を記載した書面を提出して届出を行う必要があります。

※登録支援機関との支援委託契約を終了した場合は、1号特定技能外国人支援計画も変更となるため、併せて支援計画変更に係る届出書を提出する必要があります。

 

特定技能外国人の受入れ困難時の届出

特定技能所属機関は、特定技能外国人の受入れが困難となった場合は、当該事由が生じた日から14日以内に、当該機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に特定技能外国人の受入れが困難となった事由並びにその発生時期及び原因、特定技能外国人の現状、特定技能外国人としての活動の継続のための措置を記載した書類を提出して届出を行う必要があります。

※「受入れが困難となった場合」とは、経営上の都合(非自発的離職)、特定技能所属機関の基準不適合、法人の解散、個人事業主の死亡、特定技能外国人の死亡、病気・怪我、行方不明、重責解雇(労働者の責めに帰すべき事由によるもの)、自己都合退職等をいいます。

※特定技能所属機関は、特定技能外国人の受入れが困難となった場合であっても、特定技能外国人が日本での活動継続の希望を持っている場合には、ハローワークや民間の職業紹介事業者の事務所へ案内する等の転職支援を行うなどの必要な措置を講じる必要があります。

※特定技能外国人が行方不明となった場合についても、特定技能の活動を行わせることが困難となった場合に該当するため、地方出入国在留管理局への受入れ困難に係る届出書が必要となります。

 

出入国又は労働関係法令に関する不正行為等を知ったときの届出

特定技能所属機関は、雇用する特定技能外国人について、出入国又は労働関係法令に関する不正行為等を認知した場合には、当該認知の日から14日以内に、当該機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に当該不正行為を認知した旨及び当該不正行為の発生時期、認知時期、当該不正行為等への対応並びに当該不正行為等の内容を記載した書面を提出して届出を行う必要があります。特定技能所属機関(又は登録支援機関)が、1号特定技能外国人支援として行う定期的な面 談などの際に、特定技能外国人への不正行為を知った場合は、当該不正行為を改善することが求められるとため、関係する行政機関に報告を行うなど必要な措置を講じた上で、その結果を地方出入国在留管理局に対して届出を行う必要があります。

 

特定技能外国人の受入れ状況に関する届出

特定技能所属機関は、四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内に、当該機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に特定技能外国人の在留管理に必要なものとして法務省令で定める事項(報酬の支払状況等)を記載した書類を提出して届出を行う必要があります。

【特定技能外国人の受入れ状況に関する届出事項】

  • 届出の対象となる期間内に受け入れていた特定技能外国人の総数
  • 届出に係る特定技能外国人の氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地及び 在留カードの番号
  • 届出に係る特定技能外国人が「特定技能」の活動を行った日数、活動の場所及 び従事した業務の内容
  • 届出に係る特定技能外国人が派遣労働者として業務に従事した場合にあって は、派遣先の氏名又は名称及び住所

四半期は次のように定められています。
第1四半期: 1月1日から 3月31日まで
第2四半期: 4月1日から 6月30日まで
第3四半期: 7月1日から 9月30日まで
第4四半期:10月1日から12月31日まで

 

1号特定技能外国人支援計画の実施状況に関する届出

特定技能所属機関は、1号特定技能外国人支援計画を作成した場合には、四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内に、当該機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に支援の実施状況を記載した書類及び適合1号特定技能外国人支援計画の実施の状況を明らかにする資料を提出して届出を行う必要があります。ただし、特定技能所属機関が1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託した場合には、本届出は不要となります。

※1号特定技能外国人からの相談を端緒とした労働基準監督署への通報や公共職業安定所も対して相談を行った場合には、相談内容及び対応結果を届け出る必要があり、非自発的離職者に対する転職支援を実施した場合には、公共職業安定所の利用状況等の転職支援の内容及び対応結果を届け出る必要があります。また、定期的な面談を実施した場合は、面談の実施状況を記載した定期面談記録書を添付して面談の内容及び対応結果を届け出る必要があります。

四半期は次のように定められています。
第1四半期: 1月1日から 3月31日まで
第2四半期: 4月1日から 6月30日まで
第3四半期: 7月1日から 9月30日まで
第4四半期:10月1日から12月31日まで

 

特定技能外国人の活動状況に関する届出

特定技能所属機関は、四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内に、当該機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に特定技能外国人の在留管理に必要なものとして法務省令で定める事項(報酬の支払状況等)を記載した書類を提出して届出を行う必要があります。

【届出事項】

(1)報酬の支払い状況について

特定技能所属機関は、四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内に、「特定技能外国人及び当該特定技能外国人の報酬を決定するに当たって比較対象者とした従業員(当該従業員がいない場合は、当該外国人と同一の業務に従事する従業員)に対する報酬の支払状況(当該外国人のそれぞれの報酬の総額及び銀行その他の金融機関に対する当該特定技能外国人の預金口座又は貯金口座への振込み等の方法により現実に支払われた額を含む。)」について届出を行う必要があります。

※「報酬の支払状況」を記載した書類として、基本賃金、残業代等諸手当の支給額、控除額が分かる賃金台帳の写しを添付する必要があります。また、「特定技能外国人の預金口座又は貯金口座への振込み等の方法により現実に支払われた額を記載した書類として、報酬の支払方法を口座振込とした場合には、「特定技能外国人の指定する預金口座等への振込明細書」及び「特定技能外国人の預金口座等の通帳の写し又は取引明細書の写し」、報酬の支払方法を「通貨払」とした場合には、「特定技能外国人の給与明細の写し」及び「報酬支払証明書」を添付する必要があります。

(2)所属する従業員について

特定技能所属機関は、四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内に、「所属する従業員の数、特定技能外国人と同一の業務に従事する者の新規雇用者数、離職者数、行方不明者数及びそれらの日本人、外国人の別」について届出を行う必要があります。

(3)健康保険、厚生年金保険及び雇用保険等の適用状況について

特定技能所属機関は、四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内に、「健康保険、厚生年金保険及び雇用保険に係る適用の状況並びに労働者災害補償保険の適用の手続に係る状況」について届出を行う必要があります。

※特定技能外国人に係る社会保険及び雇用保険の被保険者資格取得手続を行っていない場合は、当該特定技能外国人の身分事項及び被保険者資格取得手続が未了である理由について、理由書(任意様式)を本届出書とともに提出する必要があります。また、特定技能外国人に係る特別徴収した税を納付していない場合は、当該特定技能外国人の身分事項及び特別徴収した税を納付していない理由について、理由書(任意様式)を本届出書とともに提出する必要があります。

(4)特定技能外国人の安全衛生に関する状況

特定技能所属機関は、四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内に、「特定技能外国人の安全衛生に関する状況」について届出を行う必要があります。

労働安全衛生法の規定に違反する行為があったとして労働基準監督官から是正勧告を受けた場合は、その都度、出入国又は労働関係法令に関する不正行為を行った場合の届出を行う必要がありますが、本届出書にも届出期間の状況を記載しなければなりません

(5)特定技能外国人の受入れに要した費用

特定技能所属機関は、四半期ごとに翌四半期の初日から14日以内に、「特定技能外国人の受入れに要した費用(受入れ準備費用、特定技能外国人の人件費、支援費用等)の額及びその内訳について届出を行う必要があります。

四半期は次のように定められています。
第1四半期: 1月1日から 3月31日まで
第2四半期: 4月1日から 6月30日まで
第3四半期: 7月1日から 9月30日まで
第4四半期:10月1日から12月31日まで

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特定技能外国人支援計画の内容について

2019-05-04

特定技能外国人支援計画は必ず作成しなければならない!

特定技能所属機関は、1号特定技能外国人を受け入れるにあたって、当該外国人が「特定技能1号」の活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画を作成しなければなりません。

1号特定技能外国人支援計画に記載する内容は以下のとおりです。
法務省:特定技能外国人受入れに関する運用要領の記載に基づきます。

(1)事前ガイダンス

在留資格「特定技能1号」の活動を行おうとする外国人に係る在留資格認定証明書の交付の申請前(当該外国人が他の在留資格をもって本邦に在留している場合にあっては、在留資格の変更の申請前)に、当該外国人に対し、特定技能雇用契約の内容、当該外国人が本邦において行うことができる活動の内容、上陸及び在留のための条件その他の当該外国人が本邦に上陸し在留するに当たって留意すべき事項に関する情報の提供を実施すること。

(2)出入国する際の送迎

出入国しようとする港又は飛行場において当該外国人の送迎をすること。

(3)住居確保・生活に必要な契約支援

1号特定技能外国人が締結する賃貸借契約に基づく当該外国人の債務についての保証人となることその他の当該外国人のための適切な住居の確保に係る支援をすることのほか、銀行その他の金融機関における預金口座又は貯金口座の開設及び携帯電話の利用に関する契約その他の生活に必要な契約に係る支援をすること。

(4)生活オリエンテーション

1号特定技能外国人が日本に入国した後(当該外国人が他の在留資格をもって本邦に在留している者である場合にあっては、在留資格の変更を受けた後)、次の事項に関する情報の提供を実施すること。

  • 本邦での生活一般に関する事項
  • 法令の規定により1号特定技能外国人が履行しなければならない又は履行すべき国又は地方公共団体の機関に対する届出その他の手続に関する事項。
  • 特定技能所属機関又は当該特定技能所属機関から契約により1号特定技能外国人支援の実施の委託を受けた者において相談又は苦情の申出に対応することとされている者の連絡先及びこれらの相談又は苦情の申出をすべき国又は地方公共団体の機関の連絡先関する事項。
  • 1号特定技能外国人が十分に理解することができる言語により医療を受けることができる医療機関に関する事項。
  • 防災及び防犯に関する事項並びに急病その他の緊急時における対応に必要な事項。
  • 出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法その他当該外国人の法的保護に必要な事項。

(5)1号特定技能外国人の公的手続等に対する同行

1号特定技能外国人が法令の規定により履行しなければならない又は履行すべき国又は地方公共団体の機関に対する届出その他の手続を履行するに当たり、必要に応じて、関係機関への同行その他の必要な支援をすること。

(6)日本語学習の機会の提供

日本での生活に必要な日本語を学習する機会を提供すること。

(7)1号特定技能外国人からの相談及び苦情対応

1号特定技能外国人から職業生活、日常生活又は社会生活に関し、相談又は苦情の申出を受けたときは、遅滞なく、当該相談又は苦情に適切に応じるとともに、助言、指導その他の必要な措置を講ずること。

(8)日本人との交流促進

1号特定技能外国人と日本人との交流の促進に係る支援をすること。

(9)1号特定技能外国人の転職支援

1号特定技能外国人が、その責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合においては、公共職業安定所その他の職業安定機関又は職業紹介事業者等の紹介その他の他の日本の公私の機関との特定技能雇用契約に基づいて法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第1号に掲げる活動を行うことができるようにするための支援をすること。

(10)定期的な面談及び行政機関に対する通報

支援責任者又は支援担当者が1号特定技能外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施し、労働基準法その他の労働に関する法令の規定に違反していることその他の問題の発生を知ったときは、その旨を労働基準監督署その他の関係行政機関に通報すること。

 

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特定技能雇用契約の満たすべき基準について

2019-05-03

特定技能雇用契約の基準とは

特定技能外国人を受入れる特定技能所属機関は、「特定技能雇用契約」を当該外国人と締結する必要があります。特定技能雇用契約の内容に関しては、改正入管法及び省令等により、様々な基準が設けられており、それらの基準をすべて満たす内容でなければなりません。

特定技能雇用契約の内容は、出入国管理及び難民認定法第2条の5第1項の法務省令で定める基準のうち雇用関係に関する事項に係るものは、労働基準法その他の労働に関する法令の規定に適合していることのほか、次の基準に適合していることが求められます。

以下、法務省:特定技能外国人受入れに関する運用要領の記載に基づきます。

(1)従事させる業務に関するもの

1号特定技能外国人については、「相当程度の知識若しくは経験を必要とする技能」水準を満たす技能を要する業務に従事させるものでなければならず、2号特定技能外国人については、「熟練した技能」水準を満たす技能を要する業務に従事させるものでなければなりません。

(2)所定労働時間に関するもの

外国人の雇用契約や就業規則で定められた労働時間(休憩時間は含まない。)が、特定技能所属機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であることが求められます。特定技能外国人はフルタイムで業務に従事することが求められるため、例えば、複数の企業が同一の特定技能外国人を雇用することはできないとされています。また、特定技能本制度における「フルタイム」とは、原則、労働日数が週5日以上かつ年間217日以上であって、かつ、週労働時間が30時間以上であることをいうとされています。

(3)報酬等に関するもの

特定技能外国人に対する報酬額と日本人が従事する場合の報酬額が同等以上であること及び外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないことが求められます。

「特定技能外国人に対する報酬額が日本人が従事する場合の報酬額と同等以上であること」に関しては、特定技能所属機関(受入れ機関)に賃金規定がある場合には、賃金規定に基づいて判断することになり、賃金規定がない場合で、特定技能外国人と同等の業務に従事する日本人労働者がいるときは、当該日本人労働者と比較して同等以上の報酬を判断することになります。賃金規定がない場合で、同等の業務に従事する日本人労働者がいないものの、特定技能外国人が従事する業務と近い業務等を担う業務に従事する日本人労働者がいるときには、当該日本人労働者の役職や責任の程度を踏まえた上で特定技能外国人との報酬差が合理的であるのか、年齢及び経験年数を比較しても報酬額が妥当であるか等を検討して判断することになります。

※特定技能外国人は、従事しようとする業務に関して、日本に在留し技能実習を修了した者であるため、技能実習2号修了者であれば約3年間、技能実習3号修了者であれば約5年間の経験者として取り扱う必要があります。

※1号特定技能外国人の報酬の額は、特定技能所属機関が技能実習生を受け入れている場合には、技能実習2号修了時の報酬額を上回ることが求められ、実際に3年程度又は5年程度の経験がある日本人技能者に支払っている報酬額とも比較して設定する必要があります。

(4)一時帰国のための有給休暇取得に関するもの

特定技能外国人が一時帰国を希望した場合には、必要な有給休暇を取得させるものとしていることが求められます。特定技能雇用契約には、特定技能外国人から一時帰国の申出があった場合は、事業の適正な運営を妨げる場合等、業務上やむを得ない事情がある場合を除き、必要な有給又は無給休暇を取得させることを定める必要があります。また、特定技能外国人が一時帰国のために休暇を取得したことを理由に、就労上の不利益な扱いをしていることが判明した場合は、本基準に不適合となる可能性があります。

(5)派遣先に関するもの

特定技能外国人を労働者派遣法又は船員職業安定法に基づき派遣労働者として雇用する場合は、当該外国人の派遣先及び派遣の期間が定められていることが求められます。※特定産業分野の「農業分野」及び「漁業分野」は、派遣による雇用形態が認められています。

(6)帰国担保措置に関するもの

特定技能外国人が特定技能雇用契約の終了後の帰国に要する旅費を負担することができないときは、当該特定技能雇用契約の相手方である特定技能所属機関が、当該旅費を負担するとともに、当該特定技能雇用契約の終了後の出国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていることが求められます。特定技能外国人が特定技能雇用契約の終了後に帰国する際の帰国費用については本人が負担することが原則となります。ただし、特定技能外国人が自ら帰国費用を負担することができない場合には、特定技能所属機関が、帰国旅費を負担することのほか、帰国のための航空券の予約及び購入を行うなどを含む措置を講ずることが求められます。

なお、帰国旅費を確保するために、あらかじめ特定技能外国人の報酬から控除するなどして積み立て等により、特定所属機関が管理することは、金銭その他の財産の管理に当たり得るものになり認められません。

(7)健康状況その他の生活状況把握のための必要な措置に関するもの

特定技能所属機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていることが求められます。「健康状況の把握のための措置」とは、労働安全衛生法に定める雇入れ時の健康診断や雇用期間中の定期健康診断を適切に実施すること及び健康状況に問題がないかを定期的に特定技能外国人から聞き取りを行うなどの措置を講じることをいいます。

(8)分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの

法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合することが求められます。

 

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特定技能所属機関の支援体制に関する基準について

2019-05-02

特定技能所属機関の支援体制に関する基準とは

特定技能所属機関は、以下、2つの基準に適合することが求められます。

【特定技能所属機関(受入れ機関)が満たすべき基準】

【特定技能所属機関(受入れ機関)の支援体制に関する基準】

今回は、「特定技能所属機関(受入れ機関)の支援体制に関する基準」について詳細を記載します。以下、法務省:特定技能外国人受入れに関する運用要領の記載に基づきます。

(1) 中長期在留者の受入れ実績等に関するもの

特定技能所属機関は、次のいずれかに該当しなければなりません。

※登録支援機関に支援を全部委託する場合には満たすものとみなされます。

  • 過去2年間に中長期在留者(就労資格に限る)の受入れ又は管理を適正に行った実績があること、及び、役員又は職員の中から、適合1号特定技能外国人支援計画の実施に関する責任者(支援責任者)及び外国人に特定技能雇用契約に基づく活動をさせる事業所ごとに1名以上の適合1号特定技能外国人支援計画に基づく支援を担当する者(支援担当者)を選任していること。
  • 役員又は職員であって過去2年間に中長期在留者(就労資格に限る)の生活相談業務に従事した経験を有するもののから、支援責任者及び特定技能外国人に活動をさせる事業所ごとに1名以上の支援担当者を選任していること。
  • 上記の基準に適合する者のほか、これらの者と同程度に支援業務を適正に実施することができる者として認めたもので、役員又は職員の中から、支援責任者及び外国人に特定技能雇用契約に基づく活動をさせる事業所ごとに1名以上の支援担当者を選任していること。

【支援責任者とは】
「支援責任者」とは、特定技能所属機関の役員又は職員(常勤であることを問わない。)であり、支援担当者を監督する立場にある者をいい、具体的には、次の事項について統括管理することが求められます。

  • 1号特定技能外国人支援計画の作成に関すること
  • 支援担当者その他支援業務に従事する職員の管理に関すること
  • 支援の進捗状況の確認に関すること
  • 支援状況の届出に関すること
  • 支援状況に関する帳簿の作成及び保管に関すること
  • 制度所管省庁,業所管省庁その他関係機関との連絡調整に関すること
  • その他支援に必要な一切の事項に関すること

【支援担当者とは】
「支援担当者」とは、特定技能所属機関の役員又は職員であり、1号特定技能外国人支援計画に沿った支援を行うことを任務とする者をいい、この役職員は常勤であることが望まれます。支援責任者が支援担当者を兼任することも可能ですが、その場合であっても双方の基準に適合しなければなりません。

【生活相談業務に従事した経験とは】
「生活相談業務に従事した経験」とは、中長期在留者に対する法律相談、労働相談及び生活相談など、相談業務全般をいい、相談内容や件数を限定するものではありません。ただし、業務として行われたことが必要であることから、いわゆるボランティアとして行った生活相談については実績に含まれません。

【「これらの者と同程度に支援業務を適正に実施することができる者」とは】
「これらの者と同程度に支援業務を適正に実施することができる者」とは、これまで日本人労働者等を適正かつ適切に雇用してきた実績のある機関と同程度に、責任をもって適切に支援を行うことが見込まれるものをいいます。なお、想定される機関として,例えば,次のものが挙げられますが,これらに該当しない機関であっても、基準に適合しているか否かが、個別に判断されることとなります。

  • 日本の証券取引所に上場している企業
  • 保険業を営む相互会社
  • 独立行政法人
  • 特殊法人・認可法人
  • 日本の国・地方公共団体認可の公益法人
  • 法人税法別表第1に掲げる公共法人
  • 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収額が1500万円以上ある団体・個人

(2)十分に理解できる言語による支援体制に関するもの

特定技能雇用契約の当事者である外国人に係る1号特定技能外国人支援計画に基づく職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を当該外国人が十分に理解することができる言語によって行うことができる体制を有していることが求められます。

  • 「十分に理解することができる言語」とは、特定技能外国人の母国語には限られませんが、当該外国人が内容を余すことなく理解できるものをいいます。
  • 「特定技能外国人が十分に理解できる言語による適切な相談体制」とは、通訳人を特定技能所属機関の職員として雇い入れることまでは必要なく、必要なときに委託するなどして通訳人を確保できるものであれば足ります。

(3)支援の実施状況に係る文書の作成等に関するもの

1号特定技能外国人支援の状況に係る文書を作成し、当該1号特定技能外国人支援を行う事業所に特定技能雇用契約の終了の日から1年以上備えて置くこととしていることが求められます。

例えば、1号特定技能外国人の支援の実施に関する管理簿を作成する場合には、以下の内容等が記載されていることが必要です。

  • 事前ガイダンスに関する事項
  • 空港等への出迎え及び見送りに関する事項
  • 住居の確保及び生活に必要な契約に関する事項
  • 生活オリエンテーションに関する事項
  • 日本語習得支援に関する事項
  • 相談等に関する事項
  • 日本人との交流促進に関する管理簿
  • 転職支援に関する事項
  • 定期的な面談に関する事項

(4)支援の中立性に関するもの

支援責任者及び支援担当者が、支援計画の中立な実施を行うことができ、かつ、欠格事由に該当しないことが求められます。1号特定技能外国人に対する支援の適正性や中立性の確保の観点から、支援責任者及び支援担当者が、1号特定技能外国人を監督する立場にないこと及び特定技能所属機関と当該外国人の間に紛争が生じた場合に少なくとも中立的な立場であること等を満たしている必要があります。

(5)支援実施義務の不履行に関するもの

5年以内に1号特定技能外国人に対する支援計画に基づく支援を怠ったことがないことが求められます。

(6)定期的な面談の実施に関するもの

支援責任者又は支援担当者が特定技能雇用契約の当事者である外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施することができる体制を有していることが求められます。

  • 「監督する立場にある者」とは、特定技能外国人と同一の部署の職員であるなど、当該外国人に対して指揮命令権を有する者をいいます。
  • 「定期的な面談」とは、3か月に1回以上の頻度で行うものをいいます。
  • 「面談」とは、直接に対面して話をすることをいいます。なお、面談を効果的に行うための準備として、質問予定の項目について、あらかじめアンケート等を実施することは差し支えないとされています。

(7)分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの

法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合することが求められます。

 

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特定技能所属機関が満たすべき基準について

2019-05-01

特定技能所属機関が満たすべき基準とは

特定技能所属機関は、以下、2つの基準に適合することが求められます。

【特定技能所属機関(受入れ機関)が満たすべき基準】

【特定技能所属機関(受入れ機関)の支援体制に関する基準】

今回は、「特定技能所属機関(受入れ機関)が満たすべき基準」について詳細を記載します。
以下、法務省:特定技能外国人受入れに関する運用要領の記載に基づきます。

(1)労働、社会保険及び租税に関する法令の規定の遵守に関するもの

特定技能外国人の受入れ機関は、労働関係法令、社会保険関係法令及び租税関係法令を遵守していることが求められます。

  • 労働関係法令を遵守しているとは、労働基準法等の基準のとおりに特定技能雇用契約が締結されていること、雇用保険及び労災保険の適用事業所である場合は、当該保険の適用手続及び保険料の納付を適切に行っていること等をいいます。
  • 社会保険関係法令を遵守しているとは、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所の場合には、特定技能所属機関が、健康保険及び厚生年金保険の加入手続、雇用する従業員の被保険者資格取得手続を行っており、所定の保険料を適切に納付(猶予制度の許可を得ている場合を含む)していることをいいます。また、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所ではない場合には、特定技能所属機関(事業主本人)が、国民健康保険及び国民年金に加入し、所定の保険料を適切に納付(国民健康保険料(税)の納付(税)緩和措置(換価の猶予、納付の猶予又は納付受託)又は国民年金保険料の免除制度の適用を受けている場合を含む。)していることをいいます。
  • 租税関係法令を遵守しているとは、法人の場合には、特定技能所属機関が、国税(源泉所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税)及び地方税(法人住民税)を適切に納付(納税緩和措置(換価の猶予,納税の猶予又は納付受託)を受けている場合を含む。)していることをいいます。また、個人事業主の場合には、特定技能所属機関が、国税(源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税)及び地方税(個人住民税)を適切に納付(納税緩和措置(換価の猶予、納税の猶予又は納付受託)を受けている場合を含む。)していることをいいます。

※特に、労働関係法令に違反する行為は,欠格事由(不正行為)の対象となりますので、5年間特定技能外国人の受入れが認められないことになる可能性がありますから、法令を遵守した受入れを行う必要があります。

(2)非自発的離職者の発生に関するもの

特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に、当該特定技能雇用契約において外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者を離職させていないことが求められます。「特定技能雇用契約において外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者」とは、特定技能所属機関にフルタイムで雇用されている日本人労働者、中長期在留者及び特別永住者の従業員(パートタイムやアルバイトを含まない。)をいい、特定技能外国人が従事する業務と同様の業務に従事していた者をいいます。

「非自発的に離職させた」とは、具体的には次のものに該当する場合をいいます。

  • 人員整理を行うための希望退職の募集又は退職勧奨を行った場合(天候不順や自然災害の発生によりやむを得ず解雇する場合は除く。)
  • 労働条件に係る重大な問題(賃金低下,賃金遅配,過度な時間外労働,採用条件との相違等)があったと労働者が判断したもの
  • 就業環境に係る重大な問題(故意の排斥,嫌がらせ等)があった場合
    特定技能外国人の責めに帰すべき理由によらない有期労働契約の終了

非自発的離職者を発生させた場合は、「受入れ困難に係る届出」を行わなければならず、非自発的離職者を1名でも発生させている場合は、基準に適合しないことになります。

(3)行方不明者の発生に関するもの

特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に、当該特定技能雇用契約の相手方である特定技能所属機関の責めに帰すべき事由により、外国人の行方不明者を発生させていないことが求められます。「外国人」とは、受け入れた特定技能外国人をいい、また、実習実施者として受け入れた技能実習生も含まれます。特定技能所属機関が、技能実習制度における実習実施者(技能実習法施行前の実習実施機関を含む。)として、特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又は締結の日以後に、受け入れた技能実習生について責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させた場合にも、本基準に適合しないことになります。

出入国在留管理庁の審査において、行方不明者を発生させた特定技能所属機関が、基準に適合しないことを免れるために、別会社を作った場合、実質的に同一の機関であると判断して、当該別会社も行方不明者を発生させた機関として取り扱われることがあります。雇用する特定技能外国人が行方不明となった場合は、「受入れ困難に係る届出」を行わなければなりません。

(4)関係法律による刑罰を受けたことによる欠格事由

関係法律による刑罰を受けている場合には、欠格事由に該当し、特定技能外国人を特定技能所属機関として受入れることができません。

  • 禁錮以上の刑に処せられた者
  • 出入国又は労働に関する法律に違反し,罰金刑に処せられた者
  • 暴力団関係法令,刑法等に違反し,罰金刑に処せられた者
  • 社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた者

【関係法令】
労働基準法、船員法、職業安定法、船員職業安定法、最低賃金法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、建設労働者の雇用の改善等に関する法律、賃金の支払の確保等に関する法律、労働者派遣法、港湾労働法、中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律、林業労働力の確保の促進に関する法律、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律、労働者派遣法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、健康保険法等。

(5)特定技能所属機関の行為能力・役員等の適格性に係る欠格事由

特定技能所属機関の行為能力・役員等の適格性に係る欠格事由に該当しないことが求められます。具体的には、精神機能の障害により特定技能雇用契約の適正な履行に必要な認知等を適切に行うことができない者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者等のことをいいます。

(6)実習認定の取消しを受けたことによる欠格事由

実習認定の取消しを受けたことによる欠格事由に該当しないことが求められます。実習実施者として技能実習生を受け入れていた際に実習認定の取消しを受けた場合、当該取消日から5年を経過しない者(取り消された者の法人の役員であった者を含む。)は、特定技能所属機関として、特定技能外国人を受入れることはできません。

(7)出入国又は労働関係法令に関する不正行為を行ったことに関するもの

特定技能雇用契約の締結の日前5年以内又はその締結の日以後に、次に掲げる行為その他の出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者に該当しないことが求められます。欠格事由に該当した場合には、特定技能所属機関として、特定技能外国人を受入れることはできません。

  • 外国人に対して暴行し,脅迫し又は監禁する行為
  • 外国人の旅券又は在留カードを取り上げる行為
  • 外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部を支払わない行
  • 外国人の外出その他私生活の自由を不当に制限する行為、
  • 外国人の人権を著しく侵害する行為
  • 偽変造文書等の行使・提
  • 保証金の徴収等
  • 届出の不履行又は虚偽の届出
  • 報告徴収に対する妨害
  • 改善命令違反
  • 不法就労者の雇用
  • 労働関係法令違反
  • 技能実習制度における不正行為

(8)暴力団排除の観点からの欠格事由に該当しないこと

(9)特定技能外国人の活動状況に係る文書の作成等に関するもの

特定技能雇用契約に係る外国人の活動の内容に係る文書を作成し、当該外国人に当該特定技能雇用契約に基づく活動をさせる事業所に当該特定技能雇用契約の終了の日から1年以上備えて置くこととしていること。

(10)保証金の徴収・違約金契約等による欠格事由に該当しないこと

  • 特定技能雇用契約を締結するに当たり、外国人又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該外国人と社会生活において密接な関係を有する者が、当該特定技能雇用契約に基づく当該外国人の本邦における活動に関連して、他の者に、保証金の徴収その他名目のいかんを問わず金銭その他の財産の管理をされている場合、又は、他の者との間で、当該特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結している場合にあっては、そのことを認識して当該特定技能雇用契約を締結していないこと。
  • 他の者との間で、特定技能雇用契約に基づく当該外国人の本邦における活動に関連して、当該特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結していないこと。

特定技能外国人及びその親族等が、保証金の徴収や財産の管理又は違約金契約を締結させられていることなどを認識して特定技能雇用契約を締結して特定技能外国人を受け入れた場合には、出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為を行ったものとして欠格事由に該当し5年間受入れができないことになる可能性があります。そのため、雇用契約締結時に十分に確認を行う必要があります。また、1号特定技能外国人を雇用する特定技能所属機関は、1号特定技能外国人支援計画における事前ガイダンスにおいて、保証金・違約金契約は違法であり、禁止されていることについて説明するとともに保証金の徴収等がないことを確認する必要があり、保証金の徴収等が行われていることを確認した場合には、地方出入国在留管理局に情報提供を行うことが求められます。

(11)支援に要する費用の負担に関するもの

特定技能外国人と特定技能雇用契約を締結しようとする本邦の公私の機関にあっては、1号特定技能外国人支援に要する費用について、直接又は間接に当該外国人に負担させないことを求めるものです。「支援に要する費用」とは、1号特定技能外国人に対して行われる各種支援(特定技能基準省令第3条に定める義務的支援)に必要となる費用(登録支援機関への委託費用を含む。)をいい、事前ガイダンス、生活オリエンテーション、相談・苦情対応及び定期的な面談の実施に係る通訳人の通訳費等及び1号特定技能外国人の出入国時の送迎に要する交通費等のことをいいます。

(12)派遣形態による受入れに関するもの

特定技能外国人を派遣労働者として受入れをする場合には、派遣元は当該外国人が従事することとなる特定産業分野に関する業務を行っていることなどが求められるほか、出入国在留管理庁長官と当該特定産業分野を所管する関係行政機関の長との協議により適当であると認められた場合に限られ、派遣先についても、派遣元である特定技能所属機関と同様に、労働,社会保険及び租税に関する法令の遵守、一定の欠格事由に該当しないことなどが求められます。

(13)労災保険法に係る措置等に関するもの

事業に関する労働者災害補償保険法による労働者災害補償保険に係る保険関係の成立の届出その他これに類する措置を講じていることが求められます。

(14)特定技能雇用契約継続履行体制に関するもの

特定技能雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていることが求められます。特定技能所属機関が事業を安定的に継続し、特定技能外国人と締結した特定技能雇用契約を確実に履行し得る財政的基盤を有していることをいいます。

特定技能所属機関として、特定技能外国人を受入れる場合には、特定技能雇用契約を継続して履行する体制を有していることについての立証が必要になります。具体的に、法人の場合には、直近2年分の決算文書(貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書)の写し又は直近2年分の法人税の確定申告書の控え(納税地の所轄税務署長の受付印のあるもの)の写しの提出が必要となり、個人事業主の場合には、直近2年分の納税証明書(その2))を提出する必要があります。もし、直近期末において債務超過がある場合には、中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が改善の見通しについて評価を行った書面の追加提出が必要になります。

(15)報酬の口座振込み等に関するもの

特定技能雇用契約に基づく外国人の報酬を、当該外国人の指定する銀行その他の金融機関に対する当該外国人の預金口座又は貯金口座への振込み又は当該外国人に現実に支払われた額を確認することができる方法によって支払われることとしており、かつ、当該預金口座又は貯金口座への振込み以外の方法によって報酬の支払をした場合には、出入国在留管理庁長官に対しその支払の事実を裏付ける客観的な資料を提出し、出入国在留管理庁長官の確認を受けることとしていることが求められます。

報酬を預貯金口座への振込みの方法で支払った場合、四半期ごとに行う特定技能外国人の活動状況に関する届出の際に、報酬支払状況として口座振込明細書、取引明細書等の写しを添付して届出を行うこととなっています。

(16)特定産業分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの

法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合することが求められます。

 

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特定技能外国人が定期に負担する費用の注意点

2019-04-30

在留資格「特定技能」により、特定技能外国人を受入れる特定技能所属機関は、入国後、特定技能外国人が定期的に負担する費用(住居費や食費等)がある場合には、その費用が特定技能外国人の意思に反して徴収されることを防止するため、その額及び内訳を十分に説明した上で、特定技能外国人から合意を得なければならないとされています。

 

(1)食費について

特定技能外国人が定期に負担する費用のうち食費については、提供される食事、食材等の提供内容に応じた合理的な費用でなければなりません。例えば、食材、宅配弁当等の現物支給の場合には、購入に要した額以内の額であること、 社員食堂での食事提供の場合には、従業員一般に提供する場合に特定技能外国人以外の従業員から徴収する額以内の額であること、 食事の調理・提供の場合には、材料費、水道・光熱費、人件費等の費用の提供を受ける者(特定技能外国人のみに限られない。)の人数で除した額以内の額でなければなりません。

 

(2)居住費について

特定技能外国人が定期に負担する費用のうち居住費については、自己所有物件の場合と借上物件の場合で違いがあります。 自己所有物件の場合には、実際に建設・改築等に要した費用、物件の耐用年数、入居する特定技能外国人の人数等を勘案して算出した合理的な額でなければなりません。また、借上物件の場合には、借上げに要する費用(管理費・共益費を含み、敷金・礼金・保証金・仲介手数料等は含まない。)を入居する特定技能外国人の人数で除した額以内の額でなければなりません。

 

(3)水道・光熱費について

特定技能外国人が定期に負担する費用のうち水道・光熱費については、実際に要した費用を当該宿泊施設で特定技能外国人と同居している者(特定技能所属機関やその家族を含む。)の人数で除した額以内の額でなければなりません。

 

まとめ(定期に負担する費用に関する注意点)

以上のことから、特定技能所属機関(受入れ機関)は、特定技能外国人の給与から定期的に負担する費用を控除する場合には、雇用条件書に控除する費用の名目及び額を明記し,特定技能外国人が控除される費用の名目及び額を十分に理解できるようにしなければなりません。

また、出入国在留管理庁に対する在留資格「特定技能1号」の申請には、雇用条件書の写し、事前ガイダンスの確認書、支払費用の同意書及び明細書及び1号特定技能外国人支援計画書等を提出することになりますが、それらの書類は、申請人が十分に理解できる言語により作成されており、申請人が内容を十分に理解した上で署名がなされていることが求められます。

※特定技能外国人が定期に負担する費用が高額になる場合には、特定技能外国人が生活する上で支障を来す可能性があるため、その費用額が、実費に相当する等適正な額であることについて、出入国在留管理庁から追加的な立証を求められる場合があります。

 

【関連規定】

食費、居住費その他名目のいかんを問わず申請人が定期に負担する費用について。当該申請人が、当該費用の対価として供与される食事、住居その他の利益の内容を十分に理解した上で合意しており、かつ、当該費用の額が実費に相当する額その他の適正な額であり、当該費用の明細書その他の書面が提示されること。

 

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「特定技能1号」の通算期間(5年)の注意点

2019-04-28

「特定技能1号」の通算期間(5年)とは

「特定技能1号」は、特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けのビザになりますが、「特定技能1号」で日本に在留できる期間は通算で5年以内であることに注意が必要です。

上陸基準省令(特定技能1号)によると、「特定技能1号の在留資格をもって本邦に在留したことがある者にあっては,当該在留資格をもって在留した期間が通算して5年に達していないこと。」と定められています。

以下の場合は通算在留期間に含まれます。

  • 「通算」とは、特定産業分野を問わず、在留資格「特定技能1号」で日本に在留した期間をいい、過去に在留資格「特定技能1号」で在留していた期間も含まれます。
  • 特定技能1号を有する外国人が失業中した期間、育児休暇及び産前産後休暇等により休暇した期間、労災等により休暇した期間は、通算在留期間に含まれます。
  • 特定技能1号を有する外国人が一時的に母国へ帰国している期間(再入国許可による出国(みなし再入国許可による出国を含む。)による出国期間は、通算在留期間に含まれます。
  • 「特定技能1号」を有する外国人が行った在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請中(転職を行うためのものに限る。)の特例期間は、通算在留期間に含まれます。
  • 平成31年4月の施行時の特例措置として「特定技能1号」への移行準備のために就労活動を認める「特定活動」で在留していた期間は、通算在留期間に含まれます。

日本に在留する「特定技能1号」を有する外国人の在留期間が通算5年に達したときは、残余の特定技能雇用契約期間や在留期限にかかわらず、「特定技能1号」での通算在留期間が5年に達した時点で,以後の在留は認められないことになります。

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成年年齢の引下げが離婚協議書等で定めた養育費に与える影響

2019-01-07

昨年、民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の一部を改正する法律が成立し、平成34年4月1日から施行されることになりました。

:離婚に伴い、子の養育費に関して、「子が成年に達するまで養育費を支払う」とする約束を離婚協議書や公正証書によって、すでに取決めている場合、どのような影響があるのでしょうか?

【成年年齢】
旧条文:20歳をもって、成年とする。
新条文:18歳をもって、成年とする。

【婚姻適齢】
旧条文:男は、18歳に、女は、16歳にならなければ婚姻をすることができない。
新条文:婚姻は、18歳にならなければ、することができない。

:上記の点に関して、離婚協議書や公正証書などで「養育費を子が成年に達するまで支払う」と取決めていたとしても、当事者間で養育費の支払期間の終期を取決めた時点では、成年年齢が20歳であったことからすると、その後、法改正によって成年年齢が18歳に引き下げられたとしても、大きな影響をうけることなく、20歳までの養育費の支払義務を負うことになると考えられます。

養育費は、子が未成熟で経済的に自立することができないから支払われるものになりますので、法律が改正され、成年年齢が引き下げられたからといって、養育費の支払期間の終期が当然に「18歳まで」となるわけではありません。

これまで、民法の成年年齢が20歳であっても、大学等の高等教育機関へ進学すること等を考慮し、「子が満22歳に達する日より後の最初の3月まで」とする養育費の取決めがあったように、成年年齢が18歳に引き下げられた後であっても、これまでと同様に、「子が満22歳に達する日より後の最初の3月まで」と離婚協議書や公正証書で約束することは問題ないと考えられます。

ただし、今後、離婚にあたって、新たに養育費に関する取決めをする場合には、「子が成年に達するまで養育費を支払う」とするのではなく、大学等の高等教育機関へ進学すること等を考慮する場合には、「子が22歳に達した後の3月まで」といった約束を取決め、明確に支払期間の終期を定めることが望ましいと考えられます。

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帰化申請の書類を作成する注意点について

2018-07-06

Q:帰化申請の書類を作成する注意点について教えてください。

:帰化申請の書類作成には、黒インクのペン・ボールペン等の筆記具を使用する必要があります。鉛筆は使用することができません。また、申請に使用する用紙は、日本工業規格A列4番(A4版)を使用します。もし、文字の記載を誤ったとしても、修正テープや修正液を使用することができないため、取消線を引いて修正することになります。

 

Q:帰化申請にあたって、どうような書類を作成する必要がありますか?

:主に、以下の書類を作成する必要があります。

・帰化許可申請書
・親族の概要を記載した書面
・履歴書
・帰化の動機書
・宣誓書
・生計の概要を記載した書面
・事業の概要を記載した書面
・自宅、勤務先、事業所付近の略図

 

Q:帰化申請の書類は、全て、自筆で作成する必要がありますか?

:「動機書」以外の書類はパソコンを用いて作成することができます。

 

Q:帰化申請のために取得した外国語で記載された文書は、翻訳が必要ですか?

:外国語で記載された文書は、翻訳が必要です。翻訳者については、正確に翻訳できる方であれば、どなたでも構いません(申請者が翻訳文を作成しても可)。翻訳文を作成する際には、A4版の用紙を使用して、翻訳文を付け、翻訳者の住所・氏名・翻訳年月日を記載する必要があります。

 

Q:帰化許可申請書は、写真を貼り付けてから法務局に提出するのでしょうか?

:その通りです。帰化許可申請書に貼り付ける写真は、申請の6ヶ月前以内に撮影した5cm×5cmの単身、無帽、正面上半身で、かつ、鮮明に写っているものである必要があります。また、写真は、2枚必要です。なお、写真は、カラー、白黒のどちらでも構いません。

※帰化をしようとする申請者が15歳未満の場合には、父母などの法定代理人と一緒に撮影した写真を使用する必要があります。

 

Q:「帰化許可申請書」を作成する際に注意点はありますか?

:帰化許可申請書は、帰化をする申請者ごとに作成することになります。
作成にあたっては、以下の点に注意をしてください。

・帰化許可申請書の左上部分にある「申請年月日欄」と「申請者の署名欄」は、法務局受付の際に記載することになりますので、空欄のままにしておく必要があります。

・「申請者の署名欄」については、法務局受付の際に、申請者が15歳以上の場合には、ご本人が自筆で署名し、申請者が15歳未満の場合には、法定代理人が署名することになります。

・「帰化後の氏名欄」は、帰化が許可になった場合を予定してあらかじめ記載します。帰化後の氏名は、常用漢字表、戸籍法施行規則別表第二に掲げる漢字、ひらがな、カタカナを使用することができます。なお、帰化許可後の氏名の変更は原則として認められません。

 

Q:「親族の概要を記載した書面」を作成する際に注意点はありますか?

:「親族の概要を記載した書面」は、日本在住の親族と外国在住の親族とに用紙を分けて作成する必要があります。そして、記載する親族の範囲は、申請者の配偶者(元配偶者を含む)、親(養親を含む)、子(養子を含む)、兄弟姉妹、配偶者の両親、内縁の夫(妻)、婚約者、申請をしていない同居の親族です。なお、これらの親族については、死亡者についても記載する必要があります。

 

Q:「履歴書」を作成する際に注意点はありますか?

:「履歴書」については、申請者の経歴を項目ごとに分け、出生の時から日付順に、空白期間がないように、漏れなく記載する必要があります。例えば、学歴については、入学、転校、中途退学、卒業(学部等)を年月日順に、職歴については、勤務先名だけではなく、担当した職種についても記載する必要があります(アルバイト歴も詳しく記載する)。また、結婚、離婚、事実婚、父母の死亡など身分関係についても記載する必要があります。

※「履歴書」を作成する際に、A4用紙1枚で記載しきれない場合には、同一用紙を用いて記載する。履歴書は、15歳未満の申請者については作成する必要はありません。

 

Q:「宣誓書」は、どのような内容になっていますか?

:「宣誓書」の内容は、「私は日本国憲法及び法令を守り、定められた義務を履行し、善良な国民となることを誓います。」となっており、帰化の受付の際に、申請者本人が自筆で署名することになります。なお、15歳未満の申請者については、不要となっています。

 

Q:「帰化の動機書」は、どのような内容を記載すればいいのですか?

:「帰化の動機書」は、申請者の生い立ち(いつ、どの場所で生まれ育ったのか)、日本に入国するに至った経緯や動機、日本での生活についての印象や感想、帰化を希望するようになったきっかけ、なぜ帰化を希望するのか、帰化が許可された後における日本での生活の予定等を具体的に記載する必要があります。

※「帰化の動機書」は、申請者本人が自筆で作成する必要がありますので、パソコンで作成することはできません。なお、15歳未満の申請者については、「帰化の動機書」を作成する必要はありません。

 

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任意後見契約の活用が本格化 公正証書の作成件数が急激に増加中

2018-06-07

任意後見の公正証書作成件数が急激に増加していることはご存知ですか?

近年、超高齢化社会と言われる社会状況を反映して、1年間に任意後見契約公正証書が作成される件数が、1万件を超える年もあり、全国的に任意後見制度の活用が本格化しつつあります。

任意後見制度とは、将来、認知症などで判断能力が低下し、不動産・預貯金等の財産管理が行えなくなったときに備えて、あらかじめ信頼できる者に財産管理や医療契約などを代行する権限を与える後見人を当事者間で決めておく制度のことです。

任意後見制度は、将来に備えて、あらかじめ自由に本人が後見人を選べる点に特徴のある制度として、平成12年に開始しましたが、年々、制度の利用者が増加傾向にあります。

任意後見制度に対し、法定後見制度は、すでに、認知症などで判断能力が低下した本人の後見人を家庭裁判所が決定するという制度です。

法定後見制度 → 家庭裁判所が後見人を選ぶ制度

任意後見制度 → 本人が自由に後見人を選べる制度

任意後見に関する公正証書の作成件数が急増しているのは、法定後見制度の家庭裁判所が選ぶ後見人ではなく、自らが一番信頼できる者をあらかじめ後見人として決めておきたい高齢者が増えている点、高齢者のみの世帯が増加しており、頼れる人が身近にいない高齢者が増えている点などがその理由であるとされています。

 

Q:任意後見契約はどのようにして締結するのでしょうか?

A:「任意後見契約は、公証人が作成する公正証書で契約しなければならない」とされています。任意後見契約は、委任者(本人)が、受任者に対し、将来自分の判断能力が低下した場合に、自分の後見人になってもらうことを委任する契約であるため、公証人が本人の意思をしっかりと確認する必要があること、契約の内容が法律に従った内容になっていること等を確認する必要があることを理由に、公証人が作成する公正証書によらなければならないと定められています。

 

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