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負担付の遺贈って!? 遺言書と負担付遺贈

2016-04-11

「負担付遺贈」について

負担付遺贈をご存知ですか?

遺言書を作成するにあたって、「負担付遺贈」の内容を希望される方がおられます。

負担付遺贈といっても、大変わかりにくいと思いますので、今回は、その負担付遺贈について記載したいと思います。

まず、最初に、遺贈とは、遺言によって財産を贈与することです。

それに対して、負担付遺贈とは、遺言によって財産を贈与するかわりに、その遺贈を受ける者に一定の義務を負担させるというものです。

それでは、負担付遺贈が利用される典型的なケースをお伝えします。

・遺された配偶者の扶養を負担させるかわりに、財産を遺贈する場合

・障害のある子の扶養を負担させるかわりに、財産を遺贈する場合

・債務(借金)を負担させるかわりに、財産を遺贈する場合

 

負担付遺贈はバランスが大切

負担付遺贈は、一定の義務を負担させるかわりに財産を遺贈するというものですが、その負担と遺贈する財産のバランスが大切になります。

なぜなら、遺贈を受けた者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができますから、財産を負担付で遺贈される者からすれば、遺贈された財産より、負担の方が大きいと判断すれば、負担付遺贈を放棄する可能性があるからです。

 

負担付遺贈が放棄されたとき

民法1002条2項
「受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。」

このように、負担付遺贈が放棄された場合、「遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。」とされていますから、遺言者は、あらかじめ放棄された事態を想定して、負担付遺贈は効力を失うと定めることもでき、また、他の者に相続させたり、遺贈したりすることもできます。つまり、遺言者は、負担付遺贈が放棄されたときのことを、自由に決めておくことができるということです。

 

負担付遺贈の負担が履行されないとき

民法1027条
「負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができる。この場合において、その期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができる。」

このように、負担付遺贈を受けた者が、その負担した義務を履行しないときは、負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することになります。そして、負担付遺贈が取消された場合は、遺贈は初めから存在しなかったことになり、遺贈の目的物は相続人に帰属することになります。

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在留資格(ビザ)の取消し制度とは

2016-03-10

在留資格取消制度について

入管法の第22条の4に、在留資格(ビザ)の取消し制度に関する規定があります。

在留資格取消制度は、偽りや不正の手段によって、在留資格(ビザ)を取得して日本に在留する外国人等に対して、意見聴取などを行なった上で、その在留資格(ビザ)を取り消すことができる制度です。

それでは、在留資格(ビザ)の取消し制度を解説します。

以下の第1号から第10号に関する事実がある場合には、在留資格(ビザ)が取消されます。
特に気をつけなければならないのが、第6号、第7号、第8~10号です。
今回は、特に第6号、第7号について詳しく記載します。

第1号 上陸拒否事由非該当性に係わる偽り等不正手段により、上陸許可の認証等を受けたこと
第2号 前号の他、偽りその他不正の手段により上陸許可の認印等を受けたこと
第3号 不実記載文書・図画の提出等により、上陸許可の認証等を受けたこと
第4号 偽りその他不正の手段により在留特別許可を取得したこと
第5号 別表第一の在留資格をもって在留する者が在留資格対応活動を行っておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとして在留していること

第6号 在留資格対応活動の非継続
対象となるのは、別表第一の在留資格をもって在留する外国人で、現に有する在留資格に対応する活動を継続して3ヶ月以上行わないで在留している場合には、正当な理由がある場合を除き、在留資格を取り消される可能性があります。
※別表第二の在留資格をもつ外国人は対象外です。

第7号 配偶者たる活動の非継続
日本人の配偶者等または永住者の配偶者等の在留資格をもって在留している外国人が、正当な理由なく、その配偶者の身分を有する者としての活動を6ヶ月以上行わないで在留している場合には、在留資格を取り消される可能性があります。

日本人または永住者等の身分を有する者としての活動を行っていると言えるためには、形式的にも実質的にも婚姻関係にあり、かつ、真摯に日本人または永住者等との婚姻生活を送るために在留していると言えることが必要です。

第8号 第9号 第10号 住居地届出業務違反

在留資格を取り消された外国人は、出国するための期間(30日を超えない範囲内)が指定され、その期間内に任意に出国することになりますが、この期間内に、出国しなければ、強制退去事由に該当します。(第24条2号の3)

1号または2号により在留資格を取り消される場合には、出国するための期間は指定されず、直ちに強制退去事由に該当します。(第24条2号の2)

※在留資格の取消しを受けたこと自体は上陸拒否事由とされていません。
そのため、指定された期間内に任意に出国すれば、次に上陸の申請を行なった場合でも、在留資格の取消しを受けたことにより上陸が許可されないということはありません。

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外国人を受け入れる所属機関による法務大臣に対する届出の努力義務

2016-02-23

外国人を受け入れる所属機関による法務大臣に対する届出の努力義務

 日本に中長期在留する外国人を受け入れる所属機関は、法務大臣に対して、外国人の受け入れの開始と終了を届け出るよう努めなければならないとされています。

具体的には、入管法の19条の17に規定されていて、日本で在留資格(ビザ)をもって活動する外国人を受け入れる所属機関の方に対する努力義務となっています。

 なお、本条の規定による届出は、努力義務ですから、届出を行わない場合に関する罰則等は定められていません。

 届出が必要とされる理由は、外国人の在留状況を正確に把握するためです。

そのため、入管法の19条の16により、日本に中長期在留する外国人は、在留資格(ビザ)について、在留期間の途中で身分関係や所属機関等について変更があった場合に届出義務があり、入管法の19条の17により、外国人を受け入れる所属機関には、外国人の受け入れの開始と終了を届け出る努力義務がそれぞれあります。

それでは、以下、入管法の19条の17の届出義務をまとめて記載します。

「教授」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」の在留資格(ビザ)をもって在留する外国人を受け入れている機関の届出義務の内容

< 受け入れの開始>
・中長期在留者の氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留カードの番号
・中長期在留者の受け入れを開始した年月日
・中長期在留者が行う活動の内容

 <受け入れの終了>
・中長期在留者の氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留カードの番号
・中長期在留者の受け入れを終了した年月日

 ※なお、受け入れの開始、受け入れの終了があった場合、その状況に至った日から14日以内に届け出る必要があります。


「留学」の在留資格(ビザ)をもって在留する外国人を受け入れている機関の届出義務の内容

 <受け入れの開始>
・中長期在留者の氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留カードの番号
・中長期在留者の受け入れを開始した年月日

 5月1日、11月1日における受け入れの開始の場合
・中長期在留者の氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留カードの番号

< 受け入れの終了>
・中長期在留者の氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留カードの番号
・中長期在留者の受け入れを終了した年月日
・卒業、退学、除籍その他中長期在留者の受け入れの終了に関わる事由

 ※なお、受け入れの開始、受け入れの終了があった場合、その状況に至った日から14日以内に届け出る必要があります。

 

 入管法第19条の17による届出をする必要がない場合
雇用対策法は、第28条第1項において、「事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その者の氏名、在留資格、在留期間、その他厚生労働省令で定める事項について確認し、当該事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。」と定めています。

 そして、第29条において、「厚生労働大臣は、法務大臣から、出入国管理及び難民認定法に定める事務の処理に関し、外国人の在留に関する事項の確認のための求めがあつたときは、前条第一項の規定による届出及び同条第三項の規定による通知に係る情報を提供するものとする。」と定められています。

 そのため、 雇用対策法第28条第1項の規定による届出をしなければならない事業主については、入管法第19条の17による届出をする必要がないという結論になります。

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中長期在留する外国人の在留資格(ビザ)の届出義務

2016-02-18

中長期在留する外国人の在留資格(ビザ)の届出義務

 日本に中長期在留する外国人は、それぞれ在留資格(ビザ)をもっていますが、その在留資格(ビザ)について、在留期間の途中で身分関係や所属機関等について変更があった場合には、一定の届出を14日以内に法務大臣に行う義務があります。

 届出が必要とされる理由は、外国人の在留状況を正確に把握するためです。

 具体的には、入管法の19条の16に規定されていて、日本で在留資格(ビザ)をもって活動する外国人の方にとっては、必ず守らなければなりませんから注意しましょう。

それでは、以下、入管法の19条の16の届出義務をまとめて記載します。

入管法19条の16 1号
「教授」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「企業内転勤」「技能実習」「留学」「研修」の在留資格(ビザ)をもつ外国人の届出義務の内容は次のとおりです。

・活動機関の名称の変更
・活動機関の所在地の変更
・活動機関の消滅
・活動機関からの離脱
・活動機関からの移籍

入管法19条の16 2号
「研究」「技術・人文知識・国際業務」「興行」「技能」の在留資格(ビザ)をもつ外国人の届出義務の内容は次のとおりです。

・契約機関の名称の変更
・契約機関の所在地の変更
・契約機関の消滅
・契約機関との契約の終了
・新たな契約の締結

入管法19条の16 3号
「家族滞在」「特定活動」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格(ビザ)をもつ外国人の届出義務の内容は次のとおりです。

・配偶者と離婚した年月日
・配偶者と死別した年月日

※配偶者としての身分を有することがその在留資格(ビザ)に該当する前提となっている場合に限ります。

罰則について

入管法19条の16に規定する届出義務に違反した者は、20万円以下の罰金に処すると規定されています。

また、本条の届出義務に関して、虚偽の届出をした者は、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処すると規定されています。

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日本に在留する外国人の資格外活動許可について

2016-02-08

資格外活動とは!?

日本に在留する外国人は、それぞれの活動に伴った在留資格をもっていますが、その許可されている在留資格に応じた活動以外に収入を伴う事業を運営する活動を行うこと、報酬を受ける活動を行うことが認められていません。

そのため、日本に在留する外国人が許可されている活動以外によって、収入を得ようとする場合には、あらかじめ資格外活動の許可を受けていなければなりません。

それでは、以下、入管法19条の資格外活動について大枠を解説します。

資格外活動許可を申請できる対象者は!?

 資格外活動許可を申請できるのは、次の在留資格を持つ外国人の方です。

「外交」「公用」「教授」「芸術」「宗教」「報道」「投資・経営」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」「技能実習」「文化活動」「短期滞在」「留学」「研修」「家族滞在」「特定活動」

資格外活動の許可は、包括許可と個別許可の2種類がある

【包括許可】
1週間について28時間以内の収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動
包括許可は、主に、「留学」・「家族滞在」の在留資格をもって在留する外国人などを対象として許可されています。

「留学」の在留資格をもって在留する外国人の方は、教育機関に在籍している間に行うものに限られているため、教育機関を中途退学した者が行ったり、卒業後に行ったりする活動は、資格外活動許可の対象にはなりません。

また、資格外活動許可を得ても風俗営業等にかかわる活動をすることはできません。

【個別許可】
活動を行う本邦の公私の機関の名称、所在地、及び業務内容その他の事項を定めて個々に指定して許可される活動 

資格外活動に違反した場合の罰則規定

入管法19条に違反して、資格外活動許可なく違法な就労活動を専ら行っていると明らかに認められる者は、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科すると定められています。

※「専ら行っていると明らかに認められる者」とは、違法な資格外活動のほうを主たる在留活動として行っていると明らかに認められる場合のことです。

違法な資格外活動を行っている場合でも、専ら行っていると明らかに認められる場合でなければ、法定刑の軽い罰則が適用され、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは200万円以下の罰金に処し又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科すると定められています。

 なお、資格外活動の許可なく違法な就労活動を行なった場合、強制退去事由に該当する場合がありますので、注意が必要です。

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外国人の日本への再入国 再入国許可とみなし再入国許可

2016-01-27

再入国許可とみなし再入国許可

 再入国許可制度とは

再入国許可とは、日本に在留する外国人の方が一時的に出国し再び日本に入国しようとする場合に、入国・上陸手続を簡略化するために法務大臣が出国に先立って与える許可のことです。

日本に在留する外国人の方が在留資格を取得している場合であっても、再入国許可なく、日本を出国すると、その外国人が有していた在留資格・在留期間は消滅してしまいますので、再度の入国には新たに在留資格の申請が必要になります。

 しかし、事前に、日本を出国する前に再入国の許可を取得すれば、再び入国が許可され、その入国後は従前の在留資格や在留期間が継続しているものとみなされます。

 再入国許可には、1回限り有効のものと有効期間内であれば何回も使用できる数次有効のものの2種類があり、その有効期間は、現に有する在留期間の範囲内で、5年間(特別永住者の方は6年間)を最長として決定されます。

 また、再入国許可を得て日本を出国中に、病気やケガにより、どうしても再入国の有効期間内に入国することが困難であるなど、やむをえない状況がある場合であれば、再入国許可の有効期間を延長することが認められることがあり、その場合は、在外の日本領事館等で手続きを行います。

 

 みなし再入国許可制度とは

 みなし再入国許可とは、日本に在留資格をもって在留する外国人で、有効な旅券を所持している方が、出国の日から1年以内に再入国する場合には、原則として通常の再入国許可の取得を不要とするものです。

みなし再入国許可の有効期間は、出国の日から1年間となりますが、在留期限が出国の日から1年を経過する前に到来する場合には、在留期限までとなります。

 みなし再入国許可により出国しようとする場合は、出国時に入国審査官に対して、みなし再入国許可による出国を希望する旨の意図を表明する必要があり、その表明は、再入国出国記録(再入国EDカード)にみなし再入国許可による出国を希望する旨のチェック欄にチェックマークをする方法で行います。

 みなし再入国許可による出国には、入国期限がパスポートに記載されません。EDカードに留意事項として「再入国許可期限が出国してから1年(特別永住者の方は2年)が経過した日または在留期間の満了日のいずれか早く到来する日まで」が押印されます。

もし、在留期限が出国後1年未満に到来する場合は、その在留期限までに再入国する必要がありますので、注意してください。

 みなし再入国許可を利用して帰国した場合、必ず有効期間の1年以内に日本に再入国しなければ、在留資格を失ってしまいます。

また、再入国許可と違い、みなし再入国許可は在外の日本領事館等で延長手続きが認められません。

そのため、外国人の方の帰国する理由にもよりますが、何らかの事情によって1年以内に日本に帰国できない可能性がある場合は、みなし再入国許可ではなく、再入国許可を取得することをお勧めします。

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日本に在留する外国人の住居地の届出義務

2016-01-14

中長期在留者である外国人が新規上陸した場合の住居地の届出義務

 中長期在留者である外国人が日本に新規上陸した場合、来日後、住居地が決まれば、14日以内に居住地の市町村役場に住居の届出をしなければなりません。

このように、外国人から住居地の届出を行い、市区町村の長を経由して、新規中長期在留者の住居地を法務大臣に対し、届け出なければならないことになっています。

 ※住居地の届出は到着後14日以内ではなく、住居地が定まってから14日以内となっていますから、気を付けてください。

 ※外国人が日本に新規上陸した時、「短期滞在」の在留資格であっても、在留資格の変更により、中長期滞在者となった場合には、その日から14日以内に市区町村へ住居地の届出を行う必要があります。

また、住居地の届出に対して、虚偽の届出や14日以内の届出を行わない場合には、住民基本台帳法上の行政罰のみならず、入管法による刑罰も科せられ、届出が上陸から90日を超えた場合には在留取消制度の対象にもなってしまいますから、忘れず、しっかり届出を行いましょう。

 

中長期在留者である外国人が引っ越しをした場合の住居地の届出義務

 日本に中長期在留する外国人の方が引っ越しをした場合、住居地の届出義務があります。

その引っ越し先が、同一区内、区外を問わず、住居地の「転居届」、「転出届」、「転入届」を移転した後、14日以内に市町村役場に届出を行う義務があります。

そして、住居地の届出をすれば、在留カードの裏面に住居地の記載がなされます。

このようにして、市区町村に届出を行うことで、地方入国管理官署にも届出を行ったことになります。

 また、このような日本に中長期在留する外国人の方が引っ越しをした場合の住居地の届出義務を正当な理由なく、住居地の届出を行わない、あるいは虚偽の届出を行った場合、行政罰の過料5万円が科せられるだけではなく、在留カードに係わる住所地の記載は入管法により1年以下の懲役又は20万円の刑罰規定も定められていますので、注意が必要です。

 ※日本に中長期在留する外国人の方が、海外へ長期に転出する場合、帰国する場合も、転出届が必要になります。

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中長期滞在者である外国人が持つ「在留カード」の基本知識

2016-01-09

新規上陸に伴う在留カードの交付について

新規に日本に上陸した外国人は、日本の空海港等に到着すると入国管理官からパスポートに上陸許可の認証を受けますが、在留資格が中長期滞在者に該当すれば、上陸が成田空港、羽田空港、中部空港、関西空港 、新千歳空港、広島空港、福岡空港であれば、その当日に在留カードが交付されます。

 パスポートには新規上陸時の証印シールに在留資格・期限等の許可内容が記載されますが、入国後の在留更新、在留資格変更はその都度、在留カードが新しく交付され、パスポートへの証印は行われません。そのため、在留カードは日本の在留許可書として交付され、パスポートは出入国時の身分証明書としての役割を担うことになります。

 また、新規に日本に上陸した外国人の上陸が成田空港、羽田空港、中部空港、関西空港以外の空海港の場合、在留カードの発行体制が整っていないため、暫定的に上陸後の住所地の届出を行い、在留カードは、後日、地方入国管理官署から、おおむね2週間以内に郵送により交付されます。その場合、パスポートに入国証印シールと在留カード後日交付のスタンプが押されます。

 

在留カードに記載されている内容は!?

中長期滞在者を対象とする在留カードには、以下の事項が記載されています。

①氏名、生年月日、性別及び国籍・地域
②日本での住居地
③在留資格、在留期間及び在留期間の満了日
④在留期間更新、変更などの許可の種類と年月日
⑤就労制限の有無
⑥資格外活動の許可を受けているときはその旨
⑦在留カードの番号8桁、交付年月日及び有効期間

 

在留カードの常時携帯義務について

中長期滞在者である外国人の方は、在留カードを常時携帯する必要があるので注意が必要です。在留カードの不携帯には罰則があり、在留カードを携帯していなかった場合は20万円以下の罰金です。

 なお、16歳未満の方については,在留カードの常時携帯義務が免除されていますので、在留カードを常時携帯する必要はありません。

 また、入国審査官・入国警備官・警察官等から在留カードの提示を求められた場合には、提示に応じる必要があり、提示に応じなかった場合は1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられることがあります。

 ※在留期間更新許可申請等の際、取次行政書士に依頼して申請する場合に在留カードを行政書士に預けた場合、携帯義務違反となるのかについてですが、法令で定められた者が本人に代わって在留カードを提出、受領する場合は、法定されたそれぞれの行為の範囲内において、本人の携帯義務違反にはなりません。

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離婚届の不受理申出制度をご存知ですか!?

2015-12-14

離婚届の不受理申出制度をご存知ですか!?

離婚届の不受理申出制度とは、不当な離婚の届出を事前に防止するための制度です。

その利用件数は、年間約3万件程度と、よく利用されています。

現在、離婚の条件等を話し合っている夫婦で、
最終的に離婚協議書・公正証書の作成を希望される方にとっては、
その協議が終わる前に、相手方が一方的に離婚届を提出しないかどうか、
不安に感じている方もおられるでしょう。

そのような場合において、離婚届の不受理申出制度は役にたちます。

それでは、不受理申出制度について、以下、記載します。

【不正な離婚届を防ぐ、離婚届の不受理申出制度】

協議離婚が成立するためには、実質的に離婚意思の合致が必要で、
形式的には離婚届の提出が必要です。

そのため、通常、協議離婚を成立させるために、
離婚届を市区町村役場の戸籍係に届出を行います。

ですが、離婚届を受けとる戸籍係は、届出の際に、夫婦双方の離婚意思を確認する方法が
ありませんから、署名を偽造した離婚届などが受理されてしまう可能性があります。

そのような不正な離婚届が受理され、離婚が成立することがないように、
事前に離婚届の不受理申出制度を利用して、不正な離婚届が受理されることを
防止することができます。

もし仮に、不正な離婚届が一旦受理されてしまうと、その届出に基づいて
戸籍の記載が行われてしまいます。

その後、その戸籍の記載を変更するためには、複雑な手続きが必要になり、
相当な手間と労力がかかってしまいます。

 【離婚届の不受理申出の手続きはどうするの?】

離婚届の不受理申出の手続きについてですが、原則として、郵送による方法は認められておらず、申出人が自己の本籍地の市区町村役場に、書面で不受理申出書を提出する必要があります。

不受理申出書の定型の用紙は、市区町村役場に備え付けられています。

また、離婚届の不受理申出制度は、一度、届出をすれば取り下げるまで効力が
続くことになりますから、何度も手続きをする必要はありません。

離婚協議書を作成するために夫婦で話し合いを続けている場合、
その協議で条件等が決まっていない段階で、勝手に離婚届を提出されては困りますから、
そのような事態を防止するために、離婚届の不受理申出制度を活用すれば、
納得のできる離婚条件となるまで、落ち着いてゆっくり話合いを進めることができます。

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慰謝料の約束を離婚協議書へ記載する場合の注意点

2015-12-08

慰謝料の約束を離婚協議書へ記載する場合の注意点

離婚する際に慰謝料を支払う約束をするケースがあります。

それは、離婚の原因となった有責行為があるからで、

不倫・浮気をした場合などが典型的な慰謝料を支払う理由となります。

慰謝料を支払う理由は不倫・浮気をした場合などに限らず、夫婦によって様々です。

「慰謝料を支払う」という約束をした場合には、後日のトラブルを防止するために、
離婚協議書へ記載することを希望される方が多いです。

 そこで、慰謝料の約束を離婚協議書へ記載する際の注意点を記載します。

 慰謝料の条項は、作成する当事者によって異なるため、具体的な条項の内容は
詳しくヒアリングをしなければ、明確になりません。

そのため、慰謝料に関する条項例を記載することはしませんが、
離婚協議書によって慰謝料の取決めを定める場合には、
おおむね、以下の内容に気をつけて条項を作成することをお勧めします。

 慰謝料が一括支払いの場合、離婚協議書への記載方法の注意点は!?

慰謝料の支払いを約束した場合、後日、約束どおりに慰謝料を支払ってもらうために、
離婚協議書を作成しますが、慰謝料が一括支払いの場合であれば、
条項はある程度シンプルなものになりますが、次の注意点に気をつける必要があります。

 ・慰謝料の支払い義務があることを認める文言があること

・具体的に金銭を支払う旨の給付条件が明確に定められていること

 なぜなら、このような内容を明確にしないと、
相手方にそもそも慰謝料の支払いを合意していないと主張されたりすることや、
約束したのは慰謝料名目の支払いではなく、財産分与等の名目だと主張されることがあるからです。

 慰謝料が分割支払いの場合には、期限の利益に気を付ける!

慰謝料の支払方法は出来る限り一括で受け取ることが理想ですが、
相手方に資力がない場合であれば分割払いもやむを得ません。

分割払いで慰謝料の約束をする場合には、分割の支払いが滞ったときのために、
「期限の利益喪失約款」を規定する必要がありますので、注意してください。

慰謝料の支払いの条項に期限の利益喪失約款の規定がなく、単に分割で支払う旨だけを
記載した内容である場合、もし、将来、慰謝料の分割払いが滞ったときに、
相手方へ請求できるのは支払い期日の到来した部分だけになります。

このような状況であれば、相手方の資力が悪化し始めているといえますから、慰謝料を
請求する立場としては、できるだけ早く全額の慰謝料を確保したいと考えるでしょう。

そこで、分割払いを怠った場合には、将来の部分も含めて一括して請求できるようにしておく
必要があり、これを期限の利益喪失約款といいます。

これにより、慰謝料の全額の支払いを早期にキッチリ確保できるようになります。

将来まで支払いを猶予するという相手方にとっての期限の利益を失わせるということです。

 期限の利益喪失約款を規定する場合には次の注意点に気をつける必要があります。

・期限の利益を失う要件を明確にすること

・慰謝料を請求する者から一括請求をしなくても期限の利益を失うということを
   明確にするため、「当然に期限の利益を失う」という文言を使用すること

 慰謝料の約束を離婚協議書へ記載する場合の注意点まとめ

・慰謝料の支払い義務があることを認める文言があること

・具体的に金銭を支払う旨の給付条件が明確に定められていること

・慰謝料が分割払いであれば、期限の利益喪失約款を規定すること

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