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外国人の不法就労活動と罰則について

2016-12-09

外国人の不法就労活動と罰則について

以前、コラムで【日本に在留する外国人の資格外活動許可について】記載しました。
 
【資格外活動とは!?】
日本に在留する外国人は、それぞれの活動に伴った在留資格(ビザ)を有していますが、許可されている在留資格に応じた活動以外に、収入を伴う事業を運営する活動を行うことや、報酬を受ける活動を行うことが認められていません。
そのため、日本に在留する外国人が許可されている活動以外によって、収入を得ようとする場合には、あらかじめ資格外活動の許可を受けていなければなりません。
 
今回は、本来なら資格外活動許可を得なければならないに、許可を得ることなく、資格外活動を行なった場合の罰則について記載します。
 
具体的には、以下の在留資格(ビザ)を有している外国人の方が、資格外活動(不法就労活動)を行なった場合です。
 
「外交」「公用」「教授」「芸術」「宗教」「報道」「投資・経営」「法律・会計業務」「医療」
「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」「技能実習」
「文化活動」「短期滞在」「留学」「研修」「家族滞在」「特定活動」
 
資格外活動を行なった場合とは、19条1項に違反した場合のことです。
 
つまり、資格外活動を行なった場合 = 19条1項に違反した場合 = 不法就労活動
 
19条1項に違反した場合の罰則は、入管法の70条と73条に規定されています。
 
【入管法70条の罰則】
19条1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者は、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金に処し又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
 
【入管法73条の罰則】
19条1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行った者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは200万円以下の罰金に処し又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
 
また、上記の罰則の他に、資格外活動を「専ら行っていると明らかに認められる者」は、退去強制の行政処分を受け、国外退去の可能性もあります。
 
 【参考 入管法条文】
第19条
別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者は、次項の許可を受けて行う場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に掲げる活動を行つてはならない。
一   別表第一の一の表、二の表及び五の表の上欄の在留資格をもつて在留する者 当該在留資格に応じこれらの表の下欄に掲げる活動に属しない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬(業として行うものではない講演に対する謝金、日常生活に伴う臨時の報酬その他の法務省令で定めるものを除く。以下同じ。)を受ける活動
二   別表第一の三の表及び四の表の上欄の在留資格をもつて在留する者 収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動
 
第70条
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
四   第十九条第一項の規定に
違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者
 
第73条
第七十条第一項第四号に該当する場合を除き、第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行った者は、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
 
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離婚協議書と財産分与 学資保険について

2016-10-12

学資保険は財産分与の対象になるのか

前回のコラムで【離婚協議書と財産分与~生命保険について】を記載しましたが、今回はその続きで【離婚協議書と財産分与~学資保険】について記載します。
 
学資保険は、教育資金を確保するための保険で、契約者本人である親の万が一の事態にはもちろん、子どもが病気・怪我などをした際にも給付金がおりる商品等、様々な種類がありますが、貯蓄型の保険であることは共通しています。
 
貯蓄型の保険である学資保険は、婚姻期間中に保険契約を締結し、その保険料を夫婦の収入から支払ってきたのであれば、夫婦の共有財産となりますので、財産分与の対象になります。
 
ただし、学資保険の保険料の支払を夫婦のどちらか一方の特有財産から支払っていた場合には、財産分与の対象とはなりませんので、注意が必要です。
 
特有財産とは、夫婦の一方が婚姻前から所有していた財産や婚姻中に相続・贈与などで相手方とは無関係に取得した財産のことです。そのため、特有財産は、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた共有財産とはいえないので、学資保険の保険料が夫婦のどちらか一方の特有財産から支払われていた場合には、財産分与の対象にならないということです。
 
学資保険が財産分与の対象となる場合には、学資保険の資産価値を把握する必要があります。具体的には、学資保険の離婚時(別居時)における解約返戻金を保険会社に問い合わせをすることになり、その後、確認した解約返戻金をどのように分与するのかを夫婦で話し合うという流れになります。
 
学資保険の財産分与については、大きく分けて、「学資保険を継続する方法」、「学資保険を解約する方法」に分かれます。
 

学資保険を継続する場合

学資保険契約を継続する場合であれば、離婚後、契約者となった者から相手方に対して、学資保険の離婚時(別居時)における解約返戻金の2分の1(分与割合)を代償金として支払うか他の財産分与で調整することになります。
 

<学資保険を継続する場合の注意点>

学資保険では、契約者と被保険者(子ども)の関係が3親等以内であれば契約が可能とする商品が多く、契約者が親権者である必要はありません。また、契約者が保険金の受取人とされている商品が多いです。
 
注意すべき点としては、離婚によって、契約者(保険金受取人)と親権者が別々になる点です。
 
例えば、夫が契約者(保険金受取人)である学資保険契約を締結していた夫婦が離婚をした場合、離婚後、妻が子の親権者となり、学資保険を継続させたとしても、保険金は子の親権者である妻に支払われるわけではなく、契約者(保険金受取人)である元夫に支払われますから、元夫が子どもの為に使用するかどうかは確実とはいえないことがある点です。
 
そのため、離婚後、学資保険を継続すると決めた場合には、契約者(保険金受取人)と親権者を一致させておくことが望ましいです。上記の例で言えば、離婚後、学資保険を継続すると決めた後、契約者(保険金受取人)を夫から子の親権者となる妻へ変更することが望ましいということです。
 

学資保険を解約する場合

学資保険契約を解約する場合であれば、保険会社から解約返戻金の支払いを受け、離婚時(別居時)における解約返戻金を分与割合(2分の1)で分配することになります。
 
以上が、「離婚協議書と財産分与 学資保険について」の内容でした。
 
夫婦が離婚する際に財産分与が問題となりますが、財産分与に関する協議が成立すれば、口約束では後日のトラブルを防止することができませんから、離婚協議書に記載することが必要です。
 
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離婚協議書と財産分与 生命保険について

2016-10-03

生命保険は財産分与の対象になるのか

 離婚する夫婦にとって財産分与は重要な項目になりますが、財産分与を検討する際、生命保険についてはどのようにすればいいのでしょうか?

 離婚協議書を作成される方から生命保険に関する財産分与について、ご質問が多くありますので、今回は生命保険について記載します。

 生命保険については、夫婦が婚姻した後、生命保険契約を締結し、その保険料を夫婦の収入から支払ってきたのであれば、夫婦の共有財産となりますので、財産分与の対象になります。

 一方、夫婦が婚姻する前からすでに生命保険契約を締結していて、保険料を支払っていた場合、その婚姻前に支払った保険料については、夫婦が協力して築いた財産とはいえないので、その部分については、財産分与の対象になりませんので、注意が必要です。

 
生命保険は、大きく分けて「貯蓄型」と「掛け捨て型」に分類されます。

貯蓄型の生命保険は、解約した場合の解約返戻金(又は満期返戻金)が財産分与の対象になりますが、掛け捨て型の生命保険は、解約返戻金が発生しないケースがほとんどで、財産分与の対象とならないことが多いです。

 そのため、生命保険について、財産分与の対象となるのは、貯蓄型の生命保険の解約返戻金(又は満期返戻金)が発生するケースで、婚姻してから別居するまでの保険料の払込期間に相当する解約返戻金ということになります。

では、具体的な貯蓄型の生命保険の解約返戻金の調査方法ですが、保険会社へ問い合わせて、具体的な解約返戻金の金額の算定を依頼し確認することが一般的です。

 その後、保険会社へ問い合わせて確認した解約返戻金を具体的にどのように分与するのかを夫婦で話し合うことになります。

生命保険の財産分与については、大きく分けて、「生命保険契約を継続する方法」、「生命保険契約を解約する方法」に分かれます。

 <生命保険契約を継続する場合>

生命保険契約を継続する場合であれば、契約を継続することになった契約者から相手方に対して、婚姻してから別居するまでの保険料の払込期間に相当する解約返戻金の2分の1を代償金として支払うか他の財産分与で調整することになります。

 <生命保険契約を解約する場合>

生命保険契約を解約する場合であれば、保険会社から解約返戻金の支払いを受け、婚姻してから別居するまでの保険料の払込期間に相当する解約返戻金を分与割合(2分の1)で分配することになります。

以上が、「離婚協議書と財産分与 生命保険について」の内容でした。

 夫婦が離婚する際に財産分与が問題となりますが、生命保険に関する協議が成立すれば、後日のトラブルを防止するためにも、協議した内容が無駄にならないためにも、離婚協議書に記載することをオススメします。

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遺言者が遺言書の内容と矛盾する行為をした場合の遺言の効力

2016-09-12

遺言者が遺言書の内容と矛盾する行為をした場合、遺言の効力はどうなるのか?

 例えば、「長男に土地Aを相続させる」という内容の遺言書を作成した遺言者が、その後、土地Aを第三者に売却するなどの行為をした場合など、遺言者が遺言書を作成した後、その内容と矛盾する行為をした場合に遺言の効力はどのようになるのでしょうか?

 このような場合について、民法1023条が規定しています。

 【民法1023条(前の遺言と後の遺言との抵触等)】

1 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言
  を撤回したものとみなす。

2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。

 つまり、民法は、遺言者が遺言書の内容と矛盾する行為をした場合の遺言の効力について、「遺言と遺言後の生前処分その他の行為が抵触する場合は、その抵触する部分について遺言を撤回したものとみなす」としています。

 重要なところは、「抵触する部分について遺言を撤回したものとみなす」という部分です。

 民法1023条2項は、遺言者の最終の意思を重んじる結果、遺言書の内容よりも、遺言より後にされた遺言者の生前処分その他の行為の方を優先し、前の遺言の内容は撤回されたものとみなすと結論づけています。

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日本人と離婚をした外国人のビザ(在留資格)について

2016-08-26

日本人と離婚をした外国人のビザ(在留資格)について

 日本人と婚姻して日本で生活している外国人の方が離婚に至った場合、その外国人の方のビザ(在留資格)はどのようになるのでしょうか?

 
外国人の方が離婚に至った場合のビザ(在留資格)については、ご質問の多いところです。

 日本人と婚姻している外国人の在留資格は「日本人の配偶者等」ですが、外国人の方が離婚をすると、「日本人の配偶者等」の在留資格に該当しなくなりますので、他の在留資格に変更をする必要があります。

 離婚される外国人の方が変更する在留資格を選択できるような状態であれば、特に問題はありませんが、変更できる在留資格が「定住者」しかないという方も実際には多いです。

そのような場合に、離婚した外国人の方が、今後も日本に在留することを希望する場合には、「日本人の配偶者等」から「定住者」に変更する必要があります。

 そこで、「日本人の配偶者等」の在留資格をもって在留する外国人について、「定住者」への変更が認められた事例、認められなかった事例が法務省入国管理局から公表されていますので、ご紹介します。

それでは、以下、法務省入国管理局から公表されている事例です。

離婚によって、「定住者」への在留資格の変更が認められた事例

 1 日本人男性と離婚した外国人女性が、以下の事情のもとで、在留資格「定住者」への変更が認められました。

・外国人女性の日本在留期間は約6年

・婚姻期間は約6年6か月

・前配偶者との間に日本人実子あり

・子の親権は外国人女性にあり

・日本人実子の監護・養育実績あり

・訪問介護員として一定の収入あり

 

2 日本人男性と離婚した外国人女性が、以下の事情のもとで、在留資格「定住者」への変更が認められました。

・外国人女性の日本在留期間は約8年1か月

・婚姻期間は約4年5か月

・前配偶者との間に日本人実子あり

・子の親権は外国人女性にあり

・前配偶者による家庭内暴力が原因で離婚

・前配偶者による家庭内暴力により外傷後ストレス障害を発症

・日本人実子の監護・養育実績あり

 

離婚によって、「定住者」への在留資格の変更が認められなかった事例

 1 日本人女性と離婚した外国人男性が、以下の事情のもとで、在留資格「定住者」への変更が認められませんでした。

・外国人男性の日本在留期間は約4年10か月

・婚姻期間は約3年

・前配偶者との間に日本人実子あり

・子の親権は日本人女性にあり

・詐欺及び傷害の罪により有罪判決

 

2 日本人男性と離婚した外国人女性が、以下の事情のもとで、在留資格「定住者」への変更が認められませんでした。

・外国人女性の日本在留期間は約3年4か月

・婚姻期間は約1年11か月

・前配偶者との間に日本人実子なし

・前配偶者の家庭内暴力による被害を申し立てた2回目の離婚

・初回の離婚時に前配偶者による家庭内暴力を受けていたとして保護を求めていたが、間もなく前配偶者と再婚

 ・前配偶者との婚姻期間は離再婚を繰り返していた時期を含め約1年11か月

 

※在留資格の変更許可申請については、在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可することとされていて、さらに、相当の理由があるか否かの判断は、法務大臣又は権限の委任を受けた地方入国管理局長の裁量に委ねられています。

そのため、在留資格の変更を希望する外国人の行おうとする活動、在留の状況、在留の必要性等を総合的に勘案して行われますので、事例に類似する場合であっても結論が異なることがあります。

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在留資格(ビザ)の変更の申請に係わる不許可事例について(続き)

2016-06-27

在留資格(ビザ)の変更の申請に係わる不許可事例について(続き)

 それでは、以下、法務省入国管理局から公表されている在留資格(ビザ)の変更に係わる不許可事例の続きです。

【在留資格変更許可申請の不許可事例】

(事例3)

  日本語教育機関に入学するとして,在留資格「就学(1年)」の上陸許可を受けて入国し,以後1回在留期間更新許可を受けて在留していたところ,およそ8か月間,マッサージ店に住み込んで,マッサージ師として,1日4時間以内とする資格外活動許可の範囲を超えて継続的に稼動を行っていたもの(平均稼動日数は週約6日,一日平均約6.6時間の稼動で,最大勤務時間は一日15時間以上であった。)。なお,日本語教育機関在籍中の平均出席率は87%であり,出席率に問題はなかった。

  同人からは,日本語教育機関卒業後,専門学校に進学するとして,在留資格「留学」への在留資格変更許可申請がなされていたところ,在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。

 

(事例4)

  大学に入学するとして,在留資格「留学(1年)」の上陸許可を受けて入国し,その後,在留資格「家族滞在(2年)」への在留資格変更許可を受けて在留していたところ,同在留資格での在留中に,資格外活動許可を受けることなく風俗営業店にて長期間稼動を行っていたもの。

  同人からは,再度大学へ入学したとして(入国時の大学とは別の大学),在留資格「留学」への在留資格変更許可申請がなされていたところ,在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。

 

(事例5)

  日本語教育機関に入学するとして,在留資格「就学(1年)」の上陸許可を受けて入国し,以後2回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ,道路交通法違反の罪により逮捕され,罰金25万円の略式命令に処されたもの(逮捕時には,国際運転免許証の有効期限が切れてからおよそ6か月経過しており,無免許状態で自損事故を起こしたもの。また,事故当時は深い酩酊状態にあった。)。

  同人からは,日本語教育機関卒業後(出席率は問題なし),専門学校に進学するとして,在留資格「留学」への在留資格変更許可申請がなされていたところ,在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。

 

(事例6)

  在留資格「短期滞在(90日)」の上陸許可を受けて入国し,その後,日本人女性と婚姻したことにより,在留資格「日本人の配偶者等(1年)」の在留資格変更許可を受けて在留していたところ,日本人女性と協議離婚が成立したものである。

  同人からは,協議離婚後,引き続き本邦に在留したいとして,在留資格「定住者」への在留資格変更許可申請がなされたところ,本邦在留歴は約1年3ヶ月であり,離婚に至る事情及び日本社会への定着性等の事情から,在留を認めるべき事情がないものとして在留資格の変更が認められなかったもの。

 

以上です。

今回まで、全4回にわたって、法務省入国管理局から公表されている在留資格(ビザ)の変更・更新の申請に係わる不許可事例について記載しました。

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在留資格(ビザ)の変更の申請に係わる不許可事例について

2016-06-21

在留資格(ビザ)の変更の申請に係わる不許可事例について

法務省入国管理局から在留資格(ビザ)の変更に係わる不許可事例が公表されています。

在留資格(ビザ)の変更に係わる不許可事例は、これから変更の申請をする予定する外国人の方とっては、興味のあるところではないでしょうか。

それでは、以下、法務省入国管理局から公表されている不許可事例に関する内容です。

 我が国に在留する外国人が許可された在留資格とは別の在留資格に該当する活動を行おうとするときは、「出入国管理及び難民認定法」に基づき、在留資格の変更許可の申請を法務大臣に対して行い、法務大臣は変更を適当と認めるに足る相当の理由があるときに限り、これを許可することができると規定されています。

 そして、この「相当の理由」があるか否かの判断については、法務大臣の裁量に委ねられており、申請した外国人の在留状況、在留の必要性、相当性等を総合的に勘案して認めるに足りるか否かが判断されています。

 

【在留資格変更許可申請の不許可事例】

 

(事例1)

  在留資格「就学(6月)」の上陸許可を受けて入国し,以後3回の在留期間更新許可及び3回の在留資格変更許可を受け,在留資格「短期滞在(90日)」をもって在留していたところ,本邦の企業に就職して稼動することを希望するとして,同人から,在留資格「人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請がなされた。

  上記変更申請中に,同人は,ホステスとして稼動しているところを摘発され,違反調査の結果,上記変更申請後から摘発されるまでの約3か月間継続してホステスとして稼動していることが判明し,資格外活動容疑により退去強制手続が執られることとなったことから,在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。

 

(事例2)

  在留資格「日本人の配偶者等(1年)」の上陸許可を受けて入国し,以後2回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ,大麻取締法違反,関税法違反により懲役10月執行猶予3年の刑に処せられたもの。

  同人から,その後,日本人配偶者と離婚したが,引き続き本邦に在留し通訳,翻訳業務に従事することを希望して,在留資格「人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請がなされたところ,在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。

 

以上です。

次回は、続きの事例3から6までを記載します。

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在留資格(ビザ)の更新の申請に係わる不許可事例について(続き)

2016-06-16

在留資格(ビザ)の更新の申請に係わる不許可事例について(続き)

 それでは、以下、法務省入国管理局から公表されている在留資格(ビザ)の更新に係わる不許可事例の続きです。

在留資格(ビザ)の更新に係わる不許可事例

(事例4)

  日本語教育機関に入学するとして,在留資格「就学(1年)」の上陸許可を受けて入国し,同在留資格で在留していたところ,量販店においてヘッドフォンステレオ等全部で8点を窃取し,現行犯逮捕され(本人自認),家庭裁判所では審判不開始が決定された。

  同人からは,引き続き日本語学校での勉学を継続したいとして(日本語教育機関在籍中の平均出席率は96%。),在留期間更新許可申請がなされていたところ,在留状況に問題があるとして在留期間の更新が認められなかったもの。

(事例5)

  日本語教育機関に入学するとして,在留資格「就学(1年)」の上陸許可を受けて入国,その後,大学進学のため在留資格「留学(2年)」へ在留資格変更許可を受け,以後2回在留期間更新許可を受けて在留していたところ,詐欺容疑で通常逮捕され起訴猶予となったもの(詐欺内容は,他人名義の国民健康保険証を借り受け,22回に渡り医療機関に通院し,医療給付を騙し取ったというもの。)。

  同人からは,引き続き大学院での勉学を継続したいとして,在留期間更新許可申請がなされていたところ,在留状況に問題があるとして在留期間の更新が認められなかったもの。

(事例6)

  在留資格「短期滞在(90日)」の上陸許可を受けて入国し,その後,日本人女性と婚姻したことにより,在留資格「日本人の配偶者等」に在留資格変更許可を受け,以後1回在留期間更新許可を受けて在留していたところ,強盗致傷により懲役7年の判決が確定し,退去強制事由に該当する容疑のある者である。

  同人からは,収監中に代理人を通じ,引き続き日本人の配偶者として在留したいとして,在留期間更新許可申請がなされたところ,在留状況に問題があるとして在留期間の更新が認められなかったもの。

(事例7)

  日系3世として,在留資格「定住者(3年)」の上陸許可を受けて入国し,以後1回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ,詐欺及び窃盗の罪により,懲役2年・執行猶予4年の刑が確定したもの。

  同人から,上記執行猶予期間中に,引き続き日系3世として在留したいとして,在留期間更新許可申請がなされたところ,在留状況に問題があるとして在留期間の更新が認められなかったもの。

(事例8)

  日系3世の配偶者として,在留資格「定住者(1年)」の上陸許可を受けて日系3世である夫とともに入国し,以後2回の更新許可を受けて在留していたところ,引き続き日系3世の配偶者として在留したいとして在留期間更新許可申請がなされた。

  上記更新申請の際に提出された源泉徴収票上の住所地が外国人登録上の住所地と相違していたことから,調査した結果,同人は,入国以来,源泉徴収票上の住所地に居住していたにもかかわらず,在留期間更新許可申請の際には,外国人登録上の住所(日系3世である夫の住所)を居住地として,虚偽申請をしていたことが判明したことから在留期間の更新が認められなかったもの。

以上です。

次回は、在留資格(ビザ)の変更の申請に係わる不許可事例について記載します。

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在留資格(ビザ)の更新の申請に係わる不許可事例について

2016-06-13

在留資格(ビザ)の更新の申請に係わる不許可事例について

 
法務省入国管理局から在留資格(ビザ)の更新に係わる不許可事例が公表されています。
この在留資格(ビザ)の更新に係わる不許可事例は、日本に在留する外国人の方にとっては、興味のあるところではないでしょうか。
 
在留資格の更新にあたっては、出入国管理及び難民認定法により、法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可することとされており、この相当の理由があるか否かの判断は、専ら法務大臣の自由な裁量に委ねられ、申請者の行おうとする活動,在留の状況、在留の必要性等を総合的に勘案して行われています。そのため、在留資格の更新のためには、「法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があること」を申請人側の責任で立証資料を作成し、申請をすることが求められますので、慎重に手続をする必要があります。
 
それでは、以下、法務省入国管理局から公表されている不許可事例です。
 

【在留期間更新許可申請の不許可事例】

 
(事例1)
  在留資格「技能(1年)」の上陸許可を受けて入国し,以後3回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ,公然わいせつ罪により罰金10万円に処せられた。同人から,引き続き,調理師として活動したいとして在留期間更新許可申請がなされたところ,在留状況に問題があるとして,在留期間の更新が認められなかったもの。
 
(事例2)
  在留資格「就学(6月)」の上陸許可を受けて入国し,以後9回の在留期間更新許可及び2回の在留資格変更許可を受け,在留資格「技術(3年)」をもって在留していたところ,不正作出支払用カード電磁的記録供用,不正電磁的記録カード所持により懲役3年執行猶予4年の刑に処せられた。
  同人からは,引き続きソフトウェア開発を行いたいとして,在留期間更新許可申請がなされていたところ,在留状況に問題があるとして在留期間の更新が認められなかったもの。
 
(事例3)
  在留資格「留学(1年)」の上陸許可を受けて入国し,以後6回の在留期間更新許可及び1回の在留資格変更許可を受け,在留資格「技術(3年)」をもって在留していたところ,偽ブランド商品を輸入して販売し,商標法違反により懲役1年6月執行猶予4年の刑に処せられた。
  同人からは,引き続きソフトウェア開発を行いたいとして,在留期間更新許可申請がなされていたところ,在留状況に問題があるとして在留期間の更新が認められなかったもの。
 
以上です。
次回は、続きの事例4から8までを記載します。
 
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在留資格(ビザ)の更新に関する注意点 あなたは大丈夫ですか!?

2016-05-26

 「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」について

 
すでに、在留資格(ビザ)を取得して日本に在留している外国人の人たちは、在留資格(ビザ)の更新手続について、「定められた資料を提出すれば許可される」とお考えの方が多いです。
ですが、「更新だから」と安易に手続をしませてしまい不許可になる方もいらっしゃいます。

そこで、法務省入国管理局から出されているガイドラインをご紹介します。
これから、在留資格の更新手続をする方にとっては、参考になる情報ですから、一度、確認をすることをお勧めします。

 
それでは、以下、法務省入国管理局から公表されている「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」の内容です。
 
1 行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること

2 入管法別表第1の2の表若しくは4の表に掲げる在留資格の下欄に掲げる活動又は5の表の特定活動の項の下欄(ロに係る部分に限る。)に掲げる活動を行おうとする者については,原則として法務省令で定める上陸許可基準に適合していること

3 素行が不良でないこと

4 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること 
※申請人の生活状況として,日常生活において公共の負担となっておらず,かつ, その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること (世帯単位で認められれば足ります。)が求められますが,仮に公共の負担となっている場合であっても,在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合には,そ の理由を十分勘案して判断することとなります。

5 雇用・労働条件が適正であること

6 納税義務を履行していること

7 入管法に定める届出等の義務を履行していること

 
以上の7つが公表されているガイドラインの内容です。
そして、最後に注意点を2つ記載します。
 
注意点1 
ガイドラインの1の在留資格該当性については,許可されるために必要な要件となります。また,2の上陸許可基準については,原則として適合していることが求められます。3~7の事項については,適当と認める相当の理由があるか否かの判断に当たっての代表的な考慮要素であり,これらの事項にすべて該当する場合であっても,すべての事情を総合的に考慮した結果,変更又は更新を許可されないこともありえます。
 
注意点2
在留資格の変更・更新にあたっては、入管法により,法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可することとされていて、この相当の理由があるか否かの判断は,専ら法務大臣の自由な裁量に委ねられ,申請者の行おうとする活動,在留の状況,在留の必要性等を総合的に勘案して行われています。そのため、在留資格の変更・更新のためには、「法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があること」を申請人側の責任で立証資料を作成し、申請をすることが求められますので、慎重に手続をする必要があります。
 
どうでしたか? おそらく、難しいと感じた方が多いと思われます。
滋賀で在留資格(ビザ)に関して困っていらっしゃる方は、お気軽に当事務所までご相談ください。
 
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