遺言者が遺言書の内容と矛盾する行為をした場合の遺言の効力

2016-09-12

遺言者が遺言書の内容と矛盾する行為をした場合、遺言の効力はどうなるのか?

 例えば、「長男に土地Aを相続させる」という内容の遺言書を作成した遺言者が、その後、土地Aを第三者に売却するなどの行為をした場合など、遺言者が遺言書を作成した後、その内容と矛盾する行為をした場合に遺言の効力はどのようになるのでしょうか?

 このような場合について、民法1023条が規定しています。

 【民法1023条(前の遺言と後の遺言との抵触等)】

1 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言
  を撤回したものとみなす。

2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。

 つまり、民法は、遺言者が遺言書の内容と矛盾する行為をした場合の遺言の効力について、「遺言と遺言後の生前処分その他の行為が抵触する場合は、その抵触する部分について遺言を撤回したものとみなす」としています。

 重要なところは、「抵触する部分について遺言を撤回したものとみなす」という部分です。

 民法1023条2項は、遺言者の最終の意思を重んじる結果、遺言書の内容よりも、遺言より後にされた遺言者の生前処分その他の行為の方を優先し、前の遺言の内容は撤回されたものとみなすと結論づけています。

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