約束を守らせる公正証書の心理的圧力
約束を守らせる公正証書の心理的圧力
それでは、前回からの続きです。
前回は、公正証書の債務名義としての効力 をお伝えしました。
今回は、 その3 公正証書の心理的圧力としての効力 を説明します。
これまでのコラムの内容のとおり、公正証書には優れた証拠としての効力があって、
さらに、お金の支払いを守らない者に対して強制執行ができる債務名義としての効力が
あることをお伝えしてきました。
そのため、公正証書を作成した相手方(債務者)に対して、
公正証書で約束した内容を守らなければならないという無言の圧力がかかります。
なぜなら、公正証書のお金の支払いに関する約束に違反すれば、ただちに強制執行されて
しまうからです。また、公正証書は裁判での有力な証拠となり、相手方としても争うのに
困難を覚えますから、やはり、できるだけ約束を守ろうということになります。
このように、公正証書の心理的圧力とは、公正証書の約束を守らなければならないという
無言の圧力がかかることです。この無言の圧力が相手方に与える影響が強いため、
相手方は公正証書で約束した内容をしっかり守ろうという気持ちになります。
例えば、あなたがお金を請求する立場であれば、相手方が約束を守らない場合には、
「お金を支払え」とずっと催促しつづける必要があります。
これは、非常に面倒で、お金を請求するあなたにとってもストレスがかかることです。
ですが、公正証書があれば、相手方には無言の圧力が強くかかっていますので、
あなたが催告をしつづけるという面倒なことをしなくても、任意にお金を支払ってくれる
でしょう。
それも、その効果はお金の支払が終わるまで、ずっと続いていきます。
このような公正証書の心理的圧力は、慰謝料の分割支払い、養育費の支払いといった、
長期にわたる支払い義務のある相手方に対して非常に有効だと思いませんか?
公正証書の優れた3つの効力まとめ
・証拠としての効力
・債務名義としての効力
・心理的圧力としての効力
以上のことから、
公正証書は、お金の支払いに関する約束には非常に有効な手段だといえます。

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