帰化申請の相談事例(滋賀県長浜市 ブラジル国籍)

2018-06-27

【滋賀県長浜市に住むブラジル国籍の相談者】

Q:私は、滋賀県長浜市に住んでいるブラジル国籍のEです。来日して約6年が経ちます。私は、ブラジル人の父親と日本人の母親の間に生まれ、ブラジルの大学を卒業した後、日本で働くことを決めて来日しました。私の母親は日本人ですから、幼少期から日本という国に興味がありました。日本で暮らしてみて、とても素晴らしいと感じましたし、ブラジルの治安などを考えると、私はずっとこのまま日本で暮らしていきたいです。私は、帰化をして日本の国籍を取得することができますか?

A:滋賀県長浜市に住んでいるブラジル国籍のEさんは、日本人の母親の子どもであるため、国籍法8条の簡易帰化が適用されます。そのため、国籍法5条の普通帰化の条件である「引き続き5年以上日本に住所を有すること」、「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」、「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること」の条件を備えないときでも帰化が許可されます。帰化が許可されるための条件は、国籍法に規定されていますので、順番に確認しましょう。

1.「日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの」

ブラジル国籍Eさんに詳しく事情をお伺いしたところ、来日後、「定住者」のビザを取得し、日本の会社に就職し、現在まで6年2ヶ月の在留を継続している状況です。そして、家族構成は、ブラジル国籍の父親、日本国籍の母親、ブラジル国籍の妹の4人であることがわかりました。日本に在留しているのは、Eさんのみで、その他の家族(3人)はブラジルで暮らしています。また、ブラジル国籍Eさんに、婚姻歴・離婚歴はありません。

ブラジル国籍のEさんの帰化申請には、日本の市区町村役場から母親の戸籍を取得すること、日本のブラジル総領事館で国籍証明書を取得すること、ブラジル本国の発行機関から出生証明書を取得することなどが必要になります。

以上のことから、ブラジル国籍Eさんは、「日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの」であることが認められます。

※普通帰化の条件である「引き続き5年以上日本に住所を有すること」は適用されません。

2.「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」

ブラジル国籍Eさんは、日本国民の子であるため、国籍法8条の簡易帰化が適用される結果、「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」の条件を備えないときでも帰化が許可されます。

ブラジル国籍Eさんは、現在27歳です。

以上のことから、ブラジル国籍Eさん、「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」は特に問題となりません。

3.「素行が善良であること」

「素行が善良であること」は、税金を適切に納税しているのか、犯罪・交通違反歴はあるのか、年金は支払っているのか等により判断されます。

まず、税金の納税関係について、給与明細書(3ヶ月分)を確認させていただきました。そうすると、所得税と住民税の2種類の税金が給与から天引きされていることがわかりました。また、給与明細書により、厚生年金の保険料が天引きされていることも確認することができましたので、ブラジル国籍Eさんについて、所得税、住民税、年金の支払いに関して問題はありませんでした。

次に、犯罪・交通違反歴について詳しく事情をお伺いしたところ、犯罪歴、不法滞在歴がないことが確認できましたが、交通違反歴があることがわかりました。ブラジル国籍Eさんは、運転免許証を取得していますので、帰化申請には過去5年の交通違反記録が記載された「運転記録証明書」を提出する必要がありますが、違反の内容が「携帯電話使用等(保持)」の1件のみであるため、特に大きな問題になることはないでしょう。

以上のことから、ブラジル国籍Eさんは、「素行が善良であること」が認められます。

4.「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること」

ブラジル国籍のEさんの母親は日本人であるため、国籍法8条の簡易帰化が適用される結果、国籍法5条の普通帰化の条件である「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること」の条件を備えないときでも帰化が許可されると国籍法に規定されていますが、帰化申請には、生計の概要を記載した書面を作成して提出する必要があります。また、給与明細書、預貯金通帳の写し、賃貸借契約書の写し等も必要になります。

ブラジル国籍のEさんは、会社員(正社員)として、月額約24万円の給与があり、預貯金は約220万円ありますので、日本で安定的に収入を確保して暮らしていくことは十分にできるでしょう。

以上のことから、ブラジル国籍のEさんは、「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること」について、特に問題になることはありません。

5.「国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと」

ブラジル国籍の外国人の方であっても、帰化申請によって、日本国籍を取得することができます。そのため、ブラジル国籍のEさんは、「日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと」について、問題となることはありません。

6.「日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと」

思想要件について、ブラジル国籍のEさんに確認をしましたが、特に問題になることはありません。

7.日本語の能力

ブラジル国籍のEさんは、日本語能力検定「N1」を取得しており、ポルトガル語と日本語の通訳の仕事を5年以上継続しています。そのため、日本語での会話をスムーズに行うことができ、日本語文書(ひらがな、カタカナ、漢字)の読み書きについても、帰化申請に求められる日本語能力を十分に超えていることが確認できました。帰化のためには、日本語能力試験「N3」程度を取得していれば問題ないことが多いですが、実際に、ブラジル国籍のEさんの日本語能力を確認した際には、外国人の方にとっては難しいとされる漢字も知っておられました。

以上のことから、ブラジル国籍のEさんは、帰化申請に求められる日本語能力があることが認められます。

【結論】

滋賀県長浜市に在住のブラジル国籍Eさんは、日本国籍を取得するために必要となる日本語能力、国籍法に規定された条件に特に問題となるところがないため、帰化が許可される可能性が十分にあります。

 

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