日本人と離婚をした外国人のビザ(在留資格)について
日本人と離婚をした外国人のビザ(在留資格)について
日本人と婚姻して日本で生活している外国人の方が離婚に至った場合、その外国人の方のビザ(在留資格)はどのようになるのでしょうか?
外国人の方が離婚に至った場合のビザ(在留資格)については、ご質問の多いところです。
日本人と婚姻している外国人の在留資格は「日本人の配偶者等」ですが、外国人の方が離婚をすると、「日本人の配偶者等」の在留資格に該当しなくなりますので、他の在留資格に変更をする必要があります。
離婚される外国人の方が変更する在留資格を選択できるような状態であれば、特に問題はありませんが、変更できる在留資格が「定住者」しかないという方も実際には多いです。
そのような場合に、離婚した外国人の方が、今後も日本に在留することを希望する場合には、「日本人の配偶者等」から「定住者」に変更する必要があります。
そこで、「日本人の配偶者等」の在留資格をもって在留する外国人について、「定住者」への変更が認められた事例、認められなかった事例が法務省入国管理局から公表されていますので、ご紹介します。
それでは、以下、法務省入国管理局から公表されている事例です。
離婚によって、「定住者」への在留資格の変更が認められた事例
1 日本人男性と離婚した外国人女性が、以下の事情のもとで、在留資格「定住者」への変更が認められました。
・外国人女性の日本在留期間は約6年
・婚姻期間は約6年6か月
・前配偶者との間に日本人実子あり
・子の親権は外国人女性にあり
・日本人実子の監護・養育実績あり
・訪問介護員として一定の収入あり
2 日本人男性と離婚した外国人女性が、以下の事情のもとで、在留資格「定住者」への変更が認められました。
・外国人女性の日本在留期間は約8年1か月
・婚姻期間は約4年5か月
・前配偶者との間に日本人実子あり
・子の親権は外国人女性にあり
・前配偶者による家庭内暴力が原因で離婚
・前配偶者による家庭内暴力により外傷後ストレス障害を発症
・日本人実子の監護・養育実績あり
離婚によって、「定住者」への在留資格の変更が認められなかった事例
1 日本人女性と離婚した外国人男性が、以下の事情のもとで、在留資格「定住者」への変更が認められませんでした。
・外国人男性の日本在留期間は約4年10か月
・婚姻期間は約3年
・前配偶者との間に日本人実子あり
・子の親権は日本人女性にあり
・詐欺及び傷害の罪により有罪判決
2 日本人男性と離婚した外国人女性が、以下の事情のもとで、在留資格「定住者」への変更が認められませんでした。
・外国人女性の日本在留期間は約3年4か月
・婚姻期間は約1年11か月
・前配偶者との間に日本人実子なし
・前配偶者の家庭内暴力による被害を申し立てた2回目の離婚
・初回の離婚時に前配偶者による家庭内暴力を受けていたとして保護を求めていたが、間もなく前配偶者と再婚
・前配偶者との婚姻期間は離再婚を繰り返していた時期を含め約1年11か月
※在留資格の変更許可申請については、在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可することとされていて、さらに、相当の理由があるか否かの判断は、法務大臣又は権限の委任を受けた地方入国管理局長の裁量に委ねられています。
そのため、在留資格の変更を希望する外国人の行おうとする活動、在留の状況、在留の必要性等を総合的に勘案して行われますので、事例に類似する場合であっても結論が異なることがあります。