養育費と児童扶養手当の関係性

2015-11-17

養育費と児童扶養手当の関係性

離婚後、子どもの親権者となった母が児童扶養手当を受給する場合に、
養育費は減額されるのでしょうか?

【養育費の金額は養育費算定表を参考にする】

子どもがいる家庭で離婚をすることになった場合、離婚後の養育費の金額が話し合われることに
なりますが、現在、養育費の算定にあたっては養育費算定表が広く利用されています。

養育費算定表とは、標準的な養育費を簡易・迅速に算定できるように、
東京・大阪の裁判官が共同研究をした結果、作成されたものです。

現在、家庭裁判所においても、この算定表を重視して養育費の額を算定しています。

 養育費算定表によって、養育費を算定する際には、父母の年収と子の年齢や人数が考慮され
決定されますが、児童扶養手当を受給することが養育費の金額を減額する理由になるのでしょうか。

【児童扶養手当は養育費を減額する理由にならない】

児童扶養手当法は、児童扶養手当がある目的を次のように説明しています。

「父または母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立を促進する
    ため、児童扶養手当を支給し、児童の福祉の増進を図ることを目的とする。」

 さらに、児童扶養手当法は、次のように規定しています。

「児童扶養手当の支給は、婚姻を解消した父母等が児童に対して履行すべき扶養義務の程度や
    内容を変更するものではない。」

つまり、離婚後、子どもの親権者となった母が児童扶養手当を受給したしても、
それによって養育費が減額されることはないということです。

 【養育費と児童扶養手当の関係性まとめ】

児童扶養手当は子のための社会保障給付ですから、養育費算定表を使用する場合であっても、
その児童扶養手当は母親の年収に含める必要はありません。
つまり、児童扶養手当の受給は、養育費が減額される理由になりません。

 児童扶養手当は、養育費を受け取っても、経済的に困難な状態が解消されない家庭を
公費によって援助するための制度であるため、母親が児童扶養手当を受給したとしても、
父親の養育費を支払う義務が消滅するわけではないということです。

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