特定技能雇用契約の満たすべき基準について

2019-05-03

特定技能雇用契約の基準とは

特定技能外国人を受入れる特定技能所属機関は、「特定技能雇用契約」を当該外国人と締結する必要があります。特定技能雇用契約の内容に関しては、改正入管法及び省令等により、様々な基準が設けられており、それらの基準をすべて満たす内容でなければなりません。

特定技能雇用契約の内容は、出入国管理及び難民認定法第2条の5第1項の法務省令で定める基準のうち雇用関係に関する事項に係るものは、労働基準法その他の労働に関する法令の規定に適合していることのほか、次の基準に適合していることが求められます。

以下、法務省:特定技能外国人受入れに関する運用要領の記載に基づきます。

(1)従事させる業務に関するもの

1号特定技能外国人については、「相当程度の知識若しくは経験を必要とする技能」水準を満たす技能を要する業務に従事させるものでなければならず、2号特定技能外国人については、「熟練した技能」水準を満たす技能を要する業務に従事させるものでなければなりません。

(2)所定労働時間に関するもの

外国人の雇用契約や就業規則で定められた労働時間(休憩時間は含まない。)が、特定技能所属機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であることが求められます。特定技能外国人はフルタイムで業務に従事することが求められるため、例えば、複数の企業が同一の特定技能外国人を雇用することはできないとされています。また、特定技能本制度における「フルタイム」とは、原則、労働日数が週5日以上かつ年間217日以上であって、かつ、週労働時間が30時間以上であることをいうとされています。

(3)報酬等に関するもの

特定技能外国人に対する報酬額と日本人が従事する場合の報酬額が同等以上であること及び外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないことが求められます。

「特定技能外国人に対する報酬額が日本人が従事する場合の報酬額と同等以上であること」に関しては、特定技能所属機関(受入れ機関)に賃金規定がある場合には、賃金規定に基づいて判断することになり、賃金規定がない場合で、特定技能外国人と同等の業務に従事する日本人労働者がいるときは、当該日本人労働者と比較して同等以上の報酬を判断することになります。賃金規定がない場合で、同等の業務に従事する日本人労働者がいないものの、特定技能外国人が従事する業務と近い業務等を担う業務に従事する日本人労働者がいるときには、当該日本人労働者の役職や責任の程度を踏まえた上で特定技能外国人との報酬差が合理的であるのか、年齢及び経験年数を比較しても報酬額が妥当であるか等を検討して判断することになります。

※特定技能外国人は、従事しようとする業務に関して、日本に在留し技能実習を修了した者であるため、技能実習2号修了者であれば約3年間、技能実習3号修了者であれば約5年間の経験者として取り扱う必要があります。

※1号特定技能外国人の報酬の額は、特定技能所属機関が技能実習生を受け入れている場合には、技能実習2号修了時の報酬額を上回ることが求められ、実際に3年程度又は5年程度の経験がある日本人技能者に支払っている報酬額とも比較して設定する必要があります。

(4)一時帰国のための有給休暇取得に関するもの

特定技能外国人が一時帰国を希望した場合には、必要な有給休暇を取得させるものとしていることが求められます。特定技能雇用契約には、特定技能外国人から一時帰国の申出があった場合は、事業の適正な運営を妨げる場合等、業務上やむを得ない事情がある場合を除き、必要な有給又は無給休暇を取得させることを定める必要があります。また、特定技能外国人が一時帰国のために休暇を取得したことを理由に、就労上の不利益な扱いをしていることが判明した場合は、本基準に不適合となる可能性があります。

(5)派遣先に関するもの

特定技能外国人を労働者派遣法又は船員職業安定法に基づき派遣労働者として雇用する場合は、当該外国人の派遣先及び派遣の期間が定められていることが求められます。※特定産業分野の「農業分野」及び「漁業分野」は、派遣による雇用形態が認められています。

(6)帰国担保措置に関するもの

特定技能外国人が特定技能雇用契約の終了後の帰国に要する旅費を負担することができないときは、当該特定技能雇用契約の相手方である特定技能所属機関が、当該旅費を負担するとともに、当該特定技能雇用契約の終了後の出国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていることが求められます。特定技能外国人が特定技能雇用契約の終了後に帰国する際の帰国費用については本人が負担することが原則となります。ただし、特定技能外国人が自ら帰国費用を負担することができない場合には、特定技能所属機関が、帰国旅費を負担することのほか、帰国のための航空券の予約及び購入を行うなどを含む措置を講ずることが求められます。

なお、帰国旅費を確保するために、あらかじめ特定技能外国人の報酬から控除するなどして積み立て等により、特定所属機関が管理することは、金銭その他の財産の管理に当たり得るものになり認められません。

(7)健康状況その他の生活状況把握のための必要な措置に関するもの

特定技能所属機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていることが求められます。「健康状況の把握のための措置」とは、労働安全衛生法に定める雇入れ時の健康診断や雇用期間中の定期健康診断を適切に実施すること及び健康状況に問題がないかを定期的に特定技能外国人から聞き取りを行うなどの措置を講じることをいいます。

(8)分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの

法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合することが求められます。

 

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