特定技能所属機関が満たすべき基準について

2019-05-01

特定技能所属機関が満たすべき基準とは

特定技能所属機関は、以下、2つの基準に適合することが求められます。

【特定技能所属機関(受入れ機関)が満たすべき基準】

【特定技能所属機関(受入れ機関)の支援体制に関する基準】

今回は、「特定技能所属機関(受入れ機関)が満たすべき基準」について詳細を記載します。
以下、法務省:特定技能外国人受入れに関する運用要領の記載に基づきます。

(1)労働、社会保険及び租税に関する法令の規定の遵守に関するもの

特定技能外国人の受入れ機関は、労働関係法令、社会保険関係法令及び租税関係法令を遵守していることが求められます。

  • 労働関係法令を遵守しているとは、労働基準法等の基準のとおりに特定技能雇用契約が締結されていること、雇用保険及び労災保険の適用事業所である場合は、当該保険の適用手続及び保険料の納付を適切に行っていること等をいいます。
  • 社会保険関係法令を遵守しているとは、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所の場合には、特定技能所属機関が、健康保険及び厚生年金保険の加入手続、雇用する従業員の被保険者資格取得手続を行っており、所定の保険料を適切に納付(猶予制度の許可を得ている場合を含む)していることをいいます。また、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所ではない場合には、特定技能所属機関(事業主本人)が、国民健康保険及び国民年金に加入し、所定の保険料を適切に納付(国民健康保険料(税)の納付(税)緩和措置(換価の猶予、納付の猶予又は納付受託)又は国民年金保険料の免除制度の適用を受けている場合を含む。)していることをいいます。
  • 租税関係法令を遵守しているとは、法人の場合には、特定技能所属機関が、国税(源泉所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税)及び地方税(法人住民税)を適切に納付(納税緩和措置(換価の猶予,納税の猶予又は納付受託)を受けている場合を含む。)していることをいいます。また、個人事業主の場合には、特定技能所属機関が、国税(源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税)及び地方税(個人住民税)を適切に納付(納税緩和措置(換価の猶予、納税の猶予又は納付受託)を受けている場合を含む。)していることをいいます。

※特に、労働関係法令に違反する行為は,欠格事由(不正行為)の対象となりますので、5年間特定技能外国人の受入れが認められないことになる可能性がありますから、法令を遵守した受入れを行う必要があります。

(2)非自発的離職者の発生に関するもの

特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に、当該特定技能雇用契約において外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者を離職させていないことが求められます。「特定技能雇用契約において外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者」とは、特定技能所属機関にフルタイムで雇用されている日本人労働者、中長期在留者及び特別永住者の従業員(パートタイムやアルバイトを含まない。)をいい、特定技能外国人が従事する業務と同様の業務に従事していた者をいいます。

「非自発的に離職させた」とは、具体的には次のものに該当する場合をいいます。

  • 人員整理を行うための希望退職の募集又は退職勧奨を行った場合(天候不順や自然災害の発生によりやむを得ず解雇する場合は除く。)
  • 労働条件に係る重大な問題(賃金低下,賃金遅配,過度な時間外労働,採用条件との相違等)があったと労働者が判断したもの
  • 就業環境に係る重大な問題(故意の排斥,嫌がらせ等)があった場合
    特定技能外国人の責めに帰すべき理由によらない有期労働契約の終了

非自発的離職者を発生させた場合は、「受入れ困難に係る届出」を行わなければならず、非自発的離職者を1名でも発生させている場合は、基準に適合しないことになります。

(3)行方不明者の発生に関するもの

特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に、当該特定技能雇用契約の相手方である特定技能所属機関の責めに帰すべき事由により、外国人の行方不明者を発生させていないことが求められます。「外国人」とは、受け入れた特定技能外国人をいい、また、実習実施者として受け入れた技能実習生も含まれます。特定技能所属機関が、技能実習制度における実習実施者(技能実習法施行前の実習実施機関を含む。)として、特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又は締結の日以後に、受け入れた技能実習生について責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させた場合にも、本基準に適合しないことになります。

出入国在留管理庁の審査において、行方不明者を発生させた特定技能所属機関が、基準に適合しないことを免れるために、別会社を作った場合、実質的に同一の機関であると判断して、当該別会社も行方不明者を発生させた機関として取り扱われることがあります。雇用する特定技能外国人が行方不明となった場合は、「受入れ困難に係る届出」を行わなければなりません。

(4)関係法律による刑罰を受けたことによる欠格事由

関係法律による刑罰を受けている場合には、欠格事由に該当し、特定技能外国人を特定技能所属機関として受入れることができません。

  • 禁錮以上の刑に処せられた者
  • 出入国又は労働に関する法律に違反し,罰金刑に処せられた者
  • 暴力団関係法令,刑法等に違反し,罰金刑に処せられた者
  • 社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた者

【関係法令】
労働基準法、船員法、職業安定法、船員職業安定法、最低賃金法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、建設労働者の雇用の改善等に関する法律、賃金の支払の確保等に関する法律、労働者派遣法、港湾労働法、中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律、林業労働力の確保の促進に関する法律、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律、労働者派遣法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、健康保険法等。

(5)特定技能所属機関の行為能力・役員等の適格性に係る欠格事由

特定技能所属機関の行為能力・役員等の適格性に係る欠格事由に該当しないことが求められます。具体的には、精神機能の障害により特定技能雇用契約の適正な履行に必要な認知等を適切に行うことができない者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者等のことをいいます。

(6)実習認定の取消しを受けたことによる欠格事由

実習認定の取消しを受けたことによる欠格事由に該当しないことが求められます。実習実施者として技能実習生を受け入れていた際に実習認定の取消しを受けた場合、当該取消日から5年を経過しない者(取り消された者の法人の役員であった者を含む。)は、特定技能所属機関として、特定技能外国人を受入れることはできません。

(7)出入国又は労働関係法令に関する不正行為を行ったことに関するもの

特定技能雇用契約の締結の日前5年以内又はその締結の日以後に、次に掲げる行為その他の出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者に該当しないことが求められます。欠格事由に該当した場合には、特定技能所属機関として、特定技能外国人を受入れることはできません。

  • 外国人に対して暴行し,脅迫し又は監禁する行為
  • 外国人の旅券又は在留カードを取り上げる行為
  • 外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部を支払わない行
  • 外国人の外出その他私生活の自由を不当に制限する行為、
  • 外国人の人権を著しく侵害する行為
  • 偽変造文書等の行使・提
  • 保証金の徴収等
  • 届出の不履行又は虚偽の届出
  • 報告徴収に対する妨害
  • 改善命令違反
  • 不法就労者の雇用
  • 労働関係法令違反
  • 技能実習制度における不正行為

(8)暴力団排除の観点からの欠格事由に該当しないこと

(9)特定技能外国人の活動状況に係る文書の作成等に関するもの

特定技能雇用契約に係る外国人の活動の内容に係る文書を作成し、当該外国人に当該特定技能雇用契約に基づく活動をさせる事業所に当該特定技能雇用契約の終了の日から1年以上備えて置くこととしていること。

(10)保証金の徴収・違約金契約等による欠格事由に該当しないこと

  • 特定技能雇用契約を締結するに当たり、外国人又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該外国人と社会生活において密接な関係を有する者が、当該特定技能雇用契約に基づく当該外国人の本邦における活動に関連して、他の者に、保証金の徴収その他名目のいかんを問わず金銭その他の財産の管理をされている場合、又は、他の者との間で、当該特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結している場合にあっては、そのことを認識して当該特定技能雇用契約を締結していないこと。
  • 他の者との間で、特定技能雇用契約に基づく当該外国人の本邦における活動に関連して、当該特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結していないこと。

特定技能外国人及びその親族等が、保証金の徴収や財産の管理又は違約金契約を締結させられていることなどを認識して特定技能雇用契約を締結して特定技能外国人を受け入れた場合には、出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為を行ったものとして欠格事由に該当し5年間受入れができないことになる可能性があります。そのため、雇用契約締結時に十分に確認を行う必要があります。また、1号特定技能外国人を雇用する特定技能所属機関は、1号特定技能外国人支援計画における事前ガイダンスにおいて、保証金・違約金契約は違法であり、禁止されていることについて説明するとともに保証金の徴収等がないことを確認する必要があり、保証金の徴収等が行われていることを確認した場合には、地方出入国在留管理局に情報提供を行うことが求められます。

(11)支援に要する費用の負担に関するもの

特定技能外国人と特定技能雇用契約を締結しようとする本邦の公私の機関にあっては、1号特定技能外国人支援に要する費用について、直接又は間接に当該外国人に負担させないことを求めるものです。「支援に要する費用」とは、1号特定技能外国人に対して行われる各種支援(特定技能基準省令第3条に定める義務的支援)に必要となる費用(登録支援機関への委託費用を含む。)をいい、事前ガイダンス、生活オリエンテーション、相談・苦情対応及び定期的な面談の実施に係る通訳人の通訳費等及び1号特定技能外国人の出入国時の送迎に要する交通費等のことをいいます。

(12)派遣形態による受入れに関するもの

特定技能外国人を派遣労働者として受入れをする場合には、派遣元は当該外国人が従事することとなる特定産業分野に関する業務を行っていることなどが求められるほか、出入国在留管理庁長官と当該特定産業分野を所管する関係行政機関の長との協議により適当であると認められた場合に限られ、派遣先についても、派遣元である特定技能所属機関と同様に、労働,社会保険及び租税に関する法令の遵守、一定の欠格事由に該当しないことなどが求められます。

(13)労災保険法に係る措置等に関するもの

事業に関する労働者災害補償保険法による労働者災害補償保険に係る保険関係の成立の届出その他これに類する措置を講じていることが求められます。

(14)特定技能雇用契約継続履行体制に関するもの

特定技能雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていることが求められます。特定技能所属機関が事業を安定的に継続し、特定技能外国人と締結した特定技能雇用契約を確実に履行し得る財政的基盤を有していることをいいます。

特定技能所属機関として、特定技能外国人を受入れる場合には、特定技能雇用契約を継続して履行する体制を有していることについての立証が必要になります。具体的に、法人の場合には、直近2年分の決算文書(貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書)の写し又は直近2年分の法人税の確定申告書の控え(納税地の所轄税務署長の受付印のあるもの)の写しの提出が必要となり、個人事業主の場合には、直近2年分の納税証明書(その2))を提出する必要があります。もし、直近期末において債務超過がある場合には、中小企業診断士、公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が改善の見通しについて評価を行った書面の追加提出が必要になります。

(15)報酬の口座振込み等に関するもの

特定技能雇用契約に基づく外国人の報酬を、当該外国人の指定する銀行その他の金融機関に対する当該外国人の預金口座又は貯金口座への振込み又は当該外国人に現実に支払われた額を確認することができる方法によって支払われることとしており、かつ、当該預金口座又は貯金口座への振込み以外の方法によって報酬の支払をした場合には、出入国在留管理庁長官に対しその支払の事実を裏付ける客観的な資料を提出し、出入国在留管理庁長官の確認を受けることとしていることが求められます。

報酬を預貯金口座への振込みの方法で支払った場合、四半期ごとに行う特定技能外国人の活動状況に関する届出の際に、報酬支払状況として口座振込明細書、取引明細書等の写しを添付して届出を行うこととなっています。

(16)特定産業分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの

法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合することが求められます。

 

お問い合わせ・無料相談

Copyright(c) 2015 行政書士ラティーフ法務事務所 All Rights Reserved.