帰化申請の相談事例(滋賀県草津市 中国籍)

2018-06-15

【滋賀県草津市に住む中国籍の相談者】

Q:私は、滋賀県草津市に住んでいる中国籍のYです。私は、中国で日本人の妻と出会い、結婚しました。その後、中国でエンジニアとして働いていましたが、妻が日本で生活することを希望したため、約2年前に妻とともに来日し、現在は、日本の会社でエンジニアとして勤務しています。私は、日本で暮らす中で、日本の国籍を取得することを希望するようになりました。帰化申請することができますか?

A:帰化が許可されるための条件は、国籍法に規定されています。
滋賀県草津市に住んでいる中国籍のYさんは、日本人の配偶者たる外国人ですから、国籍法7条の簡易帰化が適用されます。そのため、国籍法5条の普通帰化の条件である「引き続き5年以上日本に住所を有すること」及び「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」の条件を備えないときでも帰化が許可されます。
それでは、順番に帰化の条件を確認しましょう。

1.「日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有するもの」

中国籍Yさんに詳しく事情をお伺いしたところ、中国で日本人の妻と婚姻したのは、4年9ヶ月前であることがわかりました。そして、来日後、「日本人の配偶者等」のビザを取得し、日本の会社に就職、現在まで1年9ヶ月の在留を継続している状況です。
なお、業務命令による海外出張はなく、中国への出国期間は1年9ヶ月の中で8日間です。

中国籍Yさんのケースにおいては、国籍法7条の規定する「日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有するもの」が適用されます。そうすると、中国籍Aさんは、1年以上日本に在留しており、かつ、婚姻の日から3年を経過しています。また、年間合計100日以上の日本出国歴もありません。

以上のことから、中国籍Yさんは、「日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有するもの」であることが認められます。

※普通帰化の条件である「引き続き5年以上日本に住所を有すること」は適用されません。

2.「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」

中国籍Yさんは、日本国民の配偶者たる外国人であるため、国籍法7条の簡易帰化が適用される結果、「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」の条件を備えないときでも帰化が許可されます。

以上のことから、中国籍Yさんは、「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」は特に問題となりません。

3.「素行が善良であること」

帰化の条件には、「素行が善良であること」が求められます。具体的には、犯罪歴(前科)があるのか、不法残留の違反歴があるのか、交通事故・交通違反歴はあるのか、しっかりと納税をしているのかどうかなどが問題になります。

中国籍Yさんに事情をお伺いしたところ、過去に犯罪歴はなく、オーバーステイ(不法残留)になったこともありませんでしたが、過去に1回(座席ベルト装着義務違反)があることがわかりました。帰化申請の必要書類の中には、「運転記録証明書」があります。これは、過去5年の交通違反記録が記載された書類になります。中国籍Yさんは、軽微な違反歴が1回ある程度なので、特に大きな問題になることはないでしょう。

次に、税金の納税に関する事項を中国籍Yさんに事情をお伺いしたところ、所得税、住民税等の税金の納税に問題はなく、年金に関しても中国籍Yさんは会社員として勤務している会社で厚生年金に加入し、給与から厚生年金保険料が天引きされていることが給与明細書により確認できました。また、日本人の配偶者の納税関係についても問題がないことが確認できました。

中国籍Yさんのケースでは、税金について問題はありませんが、もし、過去に税金(所得税、住民税、年金)等の未納がある場合でも、帰化許可申請までに完納すれば帰化が許可される可能性があります。

以上のことから、中国籍Yさんは、「素行が善良であること」が認められます。

4.「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること」

中国籍Yさんは、会社員(正社員)として、月額約32万円の給与があり、貯金額は約130万円あります。生計をともにする日本人の妻もパート収入が月額約8万円あります。帰化が許可される条件である生計要件は、世帯単位で安定的に収入を確保していることが重要です。そのため、預貯金の額よりも、安定的に収入を確保できることが大切です。

一方、中国籍Yさん世帯には、住宅ローン・自動車ローン等の負債があります。「住宅ローン・自動車ローンがあることは、帰化申請に影響するのか?」については、滞りなく、ローンを返済していることが確認できれば問題ありません。中国籍Yさん世帯の月額収入は、40万円あり、それに対する月々のローン返済額を比較しても、特に帰化申請の生計要件において、特に問題にはならないでしょう。

以上のことから、中国籍Yさんは、会社員の雇用形態(正社員・契約社員・派遣社員)の中で、最も安定性している正社員であること、月額約32の給与があること、生計をともにする日本人の妻のパート収入が月額約8万円あること、住宅ローン・自動車ローン等の負債について滞りなく返済していること等から「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること」が認められます。

5.「国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと」

中国国籍法は、第9条において、「外国に定住している中国公民で、自己の意思によって外国の国籍に入籍し又は取得した者は自動的に中国国籍を失う。」と規定しています。

以上のことから、中国籍Yさんは、「日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと」について、問題となることはありません。

6.「日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと」

帰化が許可される要件の1つである思想要件について、中国籍Yさんに確認をしたところ、特に問題となることはありませんでした。

7.日本語の能力

帰化申請には、ひらがな、カタカナ、小学校1~3年生程度の漢字の読み書きの日本語能力があることが求められます。中国籍Yさんは、日本語能力検定などの日本語能力を示す資格を取得していませんが、もともと中国の大学に在籍していた時に日本語を学んだ経験があること、日本人の妻と婚姻後4年9ヶ月が経過し、夫婦のコミュニケーションは主に日本語でなされていること、日本に在留して1年9ヶ月が経過しています。そのため、日本語での日常会話は問題なく、日本語で記載された簡単な文章も読み書きすることができます。中国籍Yさんについて、日本語能力を確認したところ、帰化申請に求められる日本語能力は十分にあることが確認できました。

以上のことから、中国籍Aさんは、帰化申請に求められる日本語能力があることが認められます。

【結論】

滋賀県草津市に在住の中国籍Yさんは、帰化が許可されるために必要となる国籍法に規定された要件及び日本語能力に特に問題となるところがないため、帰化が許可される可能性が十分にあります。

 

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