実は怖いテンプレートや雛形の離婚協議書
☑離婚協議書をテンプレートや雛形で作成するデメリット
離婚をする夫婦が離婚協議書を作成する場合、そもそも、離婚協議書を作成することが初めてのケースがほとんどですから、インターネット等を使って離婚協議書のテンプレートや雛形を見本にして離婚協議書を作成することがあります。
離婚協議書を初めて作成する方にとって、離婚協議書のテンプレートや雛形を参考にすることは有益と考えがちですが、実はそうではありません。
そもそも離婚協議書は夫婦のお互いの離婚後のトラブルを防止する目的で作成しますが、何がトラブルになるかは個別の夫婦の事情によって様々です。それに、同じトラブルがあったとしても、解決策は同じとは限りません。
確かに、テンプレートや雛形で足りる契約書があることは事実です。
ですが、離婚協議書はテンプレートや雛形で作成できる簡単な契約書ではありません。
離婚協議書は極めて戦略的に作成することで、結果がまるで変わります。
- 離婚協議書のテンプレートや雛形の内容が、夫の立場で作成された内容なのか、妻の立場で作成された内容なのか・・・、
- どんな事情に基づいて作成された内容なのか・・・、
- どんな意図があって作成された内容なのか・・・、
- 漏れている事項はないか・・・、
- 条項の文言が抽象的すぎないか・・・、
- 期限の利益の文言の記載がそもそもない・・・、
- 期限の利益に関する記載があるが、「当然に失うのか」または「請求により失うのか」・・・、
このような、不確かな内容を真似て作成した離婚協議書で怖くありませんか?
あなたは、重要な権利を失うことになりませんか?
これでは、意味のない形だけの離婚協議書になってしまいます。
離婚協議書は離婚をする夫婦の個別具体的な事情に基づいて作成することはもちろん、あらゆる事態を想定して戦略的に作成する必要があります。
それに、法律的な知識がなくともテンプレートや雛形を見本にして離婚協議書の作成ができると誤解されている方がいますが、法律的な知識がなければその離婚協議書が「あなた」に有利で、効果的な仕組みに仕上がっているのかを判断することができません。そうでなければ、「意味のある離婚協議書を作成した」とはいえないのではないでしょうか。
離婚協議書は作成すること自体が目的ではありません、そうではなくて、離婚協議書の有効な効果を得たうえで、離婚後のあなたの目的を達成するために作成する契約書なのです。