技術・人文知識・国際業務ビザ申請について
☑翻訳、通訳、語学の指導者として就労ビザを取得したい
☑エンジニア(技術者)として就労ビザを取得したい
☑ホテル業務に外国人を雇用するために就労ビザを申請したい
☑技術・人文知識・国際業務ビザとは
☑技術・人文知識・国際業務ビザの許可要件
☑技術・人文知識・国際業務ビザ申請の注意点
就労ビザの種類の中でも、日本で就労する外国人の多くの方が許可を受けているのが、「技術・人文知識・国際業務ビザ」です。入管法別表第 1の2の表の「技術・人文知識・国際業務」の項の下欄は、日本において外国人の方が行うことができる活動を以下のとおり規定しています。
【在留資格:技術・人文知識・国際業務】
「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務叉は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項,芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで,企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く 。)」
技術・人文知識・国際業務ビザとは
技術・人文知識・国際業務ビザは、範囲が広く、日本で就労する外国人の方の多くが許可を受けている就労ビザの種類の1つです。
具体的には、翻訳、通訳、語学の指導、広報宣伝、営業、総務、経理、海外取引、デザイナー、商品開発、外国人客の多いホテル・旅館のフロント業務等、システムエンジニア(SE)、機械系エンジニア、電気系エンジニア、プログラマー等になります。
外国人の方が日本において、技術・人文知識 ・国際業務のビザ(在留資格)を有して従事することができる活動は次の3つです。
1 自然科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に主として従事する活動
自然科学の分野に属する知識を必要とする業務とは、入国・在留審査要領によれば、自然科学の分野に属する技術又は知識がなければできない学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務であって、単に経験を積んだことにより有している知識では足りず、学問的・体系的な知識を必要とするものでなければならないとされています。
2 人文科学の分野に属する知識を必要とする業務に主として従事する活動
人文科学の分野に属する知識を必要とする業務とは、入国・在留審査要領によれば、人文科学の分野に属する知識がなければできない学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務であって、単に経験を積んだことにより有している知識では足りず、学問的・体系的な知識を必要とするものでなければならないとされています。
3 外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に主として従事する活動
外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務とは、入国・在留審査要領によれば、外国に特有な文化に根ざす一般の日本人が有しない思考方法・感受性を必要とする業務であって、一定水準以上の専門的能力を必要とするものでなければならないとされています。
技術・人文知識・国際業務ビザの具体的な事例について
【具体例1】外国人の方が本国の大学(教育学部)を卒業し、日本の語学学校との契約に基づいて、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けて、語学教師としての業務に従事する場合。
【具体例2】外国人の方が工学、情報処理等を専攻して本国の大学を卒業し、日本のソフトウェア会社との契約に基づいて、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けて、ソフトウェアエンジニアとして業務に従事する場合。
【具体例3】外国人の方が日本の大学(経済学部)を卒業し、外国人観光客が多く利用する日本のホテル・旅館との契約に基づいて、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けて、外国語を用いたフロント業務、外国人観光客からの要望対応、ホテル内の施設案内、宿泊プランの企画立案業務等に従事する場合。
【具体例4】外国人の方が日本の大学(経営学部)を卒業し、日本の輸入・販売会社との契約に基づいて、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けて、日本と海外との取引業務における通訳・翻訳業務に従事する場合。
【具体例5】外国人の方が日本の専修学校の専門課程を修了し、専門士の称号を付与され、日本の企業との契約に基づいて、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けて、専修学校において専攻した科目と関連する業務に従事する場合。
技術・人文知識・国際業務ビザの許可要件について
1 技術・人文知識・国際業務ビザの許可要件(自然科学・人文科学分野)
ビザ申請人である外国人の方が、自然科学・人文科学の分野に属する知識を必要とする業務に主として従事する場合に、技術・人文知識・国際業務ビザの許可を受けるためには、以下の経歴要件のいずれかに該当していることが必要になります。
〇従事しようとする業務に必要な技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業(日本の短期大学を卒業した者を含む)し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。
〇従事しようとする業務に必要な技術又は知識に関連する科目を専攻して日本の専修学校の専門課程を修了したこと。(「専門士」・「高度専門士」の称号を付与されていること。)
〇実務経験が10年以上あること。
※ただし、ビザ申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格している又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有している場合は上記に適合することを要しない。
2 技術・人文知識・国際業務ビザの許可要件(国際業務分野)
ビザ申請人である外国人の方が、外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合に、技術・人文知識・国際業務ビザの許可を受けるためには、以下の要件のいずれにも該当していることが必要になります。
〇翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。
〇従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳文は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。
3 技術・人文知識・国際業務ビザの許可要件(自然科学・人文科学・国際業務分野共通)
自然科学又は人文科学の分野に属する業務に従事する場合でも、外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合でも、以下の要件に該当していることが必要になります。
〇日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。
技術・人文知識・国際業務ビザの注意点について
技術・人文知識・国際業務ビザを取得するためには、外国人の方が従事しようとする業務と大学等又は専修学校において専攻した科目が関連していることが求められます。「関連している」とは、外国人の方が大学等又は専修学校において学んだ内容を従事しようとする業務に活かせるという意味です。では、どの程度の関連性が求められるのかについてですが、従事しようとする業務と専攻科目が一致していることまでは必要ではなく、外国人の方の履修した科目等を確認して総合的に判断されることになります。
また、大学と専修学校では設置目的が異なることを理由に、大学を卒業した場合には、専修学校の専門課程を修了した場合に比べ、外国人の方が従事しようとする業務と専攻科目との関連性は比較的緩やかに判断されることになります。