外国人の不法就労活動と罰則について

2016-12-09

外国人の不法就労活動と罰則について

以前、コラムで【日本に在留する外国人の資格外活動許可について】記載しました。
 
【資格外活動とは!?】
日本に在留する外国人は、それぞれの活動に伴った在留資格(ビザ)を有していますが、許可されている在留資格に応じた活動以外に、収入を伴う事業を運営する活動を行うことや、報酬を受ける活動を行うことが認められていません。
そのため、日本に在留する外国人が許可されている活動以外によって、収入を得ようとする場合には、あらかじめ資格外活動の許可を受けていなければなりません。
 
今回は、本来なら資格外活動許可を得なければならないに、許可を得ることなく、資格外活動を行なった場合の罰則について記載します。
 
具体的には、以下の在留資格(ビザ)を有している外国人の方が、資格外活動(不法就労活動)を行なった場合です。
 
「外交」「公用」「教授」「芸術」「宗教」「報道」「投資・経営」「法律・会計業務」「医療」
「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」「技能実習」
「文化活動」「短期滞在」「留学」「研修」「家族滞在」「特定活動」
 
資格外活動を行なった場合とは、19条1項に違反した場合のことです。
 
つまり、資格外活動を行なった場合 = 19条1項に違反した場合 = 不法就労活動
 
19条1項に違反した場合の罰則は、入管法の70条と73条に規定されています。
 
【入管法70条の罰則】
19条1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者は、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金に処し又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
 
【入管法73条の罰則】
19条1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行った者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは200万円以下の罰金に処し又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
 
また、上記の罰則の他に、資格外活動を「専ら行っていると明らかに認められる者」は、退去強制の行政処分を受け、国外退去の可能性もあります。
 
 【参考 入管法条文】
第19条
別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者は、次項の許可を受けて行う場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に掲げる活動を行つてはならない。
一   別表第一の一の表、二の表及び五の表の上欄の在留資格をもつて在留する者 当該在留資格に応じこれらの表の下欄に掲げる活動に属しない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬(業として行うものではない講演に対する謝金、日常生活に伴う臨時の報酬その他の法務省令で定めるものを除く。以下同じ。)を受ける活動
二   別表第一の三の表及び四の表の上欄の在留資格をもつて在留する者 収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動
 
第70条
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
四   第十九条第一項の規定に
違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者
 
第73条
第七十条第一項第四号に該当する場合を除き、第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行った者は、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
 
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