どんどん増加する公正証書遺言の作成件数
2018-06-01
日本公証人連合会より、平成29年1月から12月までの1年間に全国で作成された公正証書遺言の件数は、11万0191件であると公表されています。
過去10年間の公正証書遺言作成件数の推移は、次の表で確認することができます。
暦年 | 遺言公正証書作成件数 |
平成20年 | 76,436件 |
平成21年 | 77,878件 |
平成22年 | 81,984件 |
平成23年 | 78,754件 |
平成24年 | 88,156件 |
平成25年 | 96,020件 |
平成26年 | 104,490件 |
平成27年 | 110,778件 |
平成28年 | 105,350件 |
平成29年 | 110,191件 |
(引用:日本公証人連合会ホームページ)
平成26年度から29年度まで、公正証書遺言の作成件数が10万件をずっと超えていることがわかります。また、平成29年度は、過去10年間で2番目に多い件数になっています。今後も、引き続き、公正証書遺言の作成件数は、どんどん増加していくと見込まれます。
遺言を残す方式には、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3つがありますが、最も確実で安心・安全な遺言の方式とされる公正証書遺言が最も選ばれています。
なぜ、公正証書遺言は、最も支持されているのでしょうか?
公正証書遺言は、遺言の方式に不備があって無効になる危険性がないこと、遺言の文言の意義が不明で無効になる危険性がないこと、遺言の原本が公証役場に保管されるため、遺言の内容が第三者によって変造・偽造される危険がないこと等の理由で、また、公正証書遺言は、遺言者の亡くなった後、遺言を執行する際に、家庭裁判所の検認手続きが不要であるため、相続人の負担が軽減されることが支持される理由だと思料します。
また、それらの理由の他に、相続が発生した後の遺産トラブルを防止するために、家族から「遺言を残してほしい」と頼まれることも公正証書遺言を作成する大きな動機になっていると思料します。
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